嵩屋天狗堂~はてな支店~

オフロードバイクアリマス。

異形のヨツメウオが、来るぅ~

嵩屋天狗堂・番頭ののりまつでございます。

去る3月11日、正式に国内発表されましたYAMAHA TENERE700について書いてみたいと思います。嵩屋天狗堂としては、長距離かつ高高度で運用でき、しかもオフロードを楽しく走ることもできるKTM690ENDURO「人麻呂」の後継機として配備されるのを待つばかり、と言ったところです。

そう、不肖のりまつ、TENERE700をお迎えします!

今から・・・いや、初めて話を聞いた二年前から、ワクワクが止まりません。



ちなみに人麻呂君はというと


人麻呂ことKTM690ENDUROは、ちょこちょこオイル漏れが目立つようになりましたが、まだまだ元気に走っています。デュアルパーパスタイヤ(オフ寄り)のMICHELIN・MT21がドはまりし、オフを走るのがめっぽう楽しくなってきています。初めからコレにしておけばよかった!トレールタイヤのなかでは見た目のゴツゴツ感が強くてかっこいいし、それでいて意外とオンも楽しく走れる。オールマイティな人麻呂君にピッタリなタイヤでした。

690ENDUROは、返す返すもいいマシンです。バイクにもう少しテマ・ヒマ・カネをかけられるなら、最新のENDURO-Rに乗り換えるか790ADVENTUER-Rに行きたいほどですが、やはりKTMは太く短く乗るモノ、という印象です。嵩屋天狗堂はそれほど潤沢ではないため、細く長く乗れる機体が欲しいのです。


異形のヨツメウオ、TENERE700。


とはいっても690ENDUROに代わるマシンはそうそうありません。軽さとパワー、オフロードでの性能がバランスしている機体なんて、690ENDURO以外に存在しない(と思い込んでいる)。名機の呼び声高いBMWのアレやコレは、のりまつごとき田舎者には高嶺の花。それに、細く長く乗るにはやはり国産がよいという気持ちも強くありました。
そんなある日のSSTRで、恩人のMPさんから聴いた「TENERE700」という四ツ目のマシンの存在。ひとかたならぬ興味を抱き、調べれば調べるほどのりまつの心のチューニングに同調してくる。こうしてのりまつの心はTENERE700に支配されていったのでした。なんでそんなに好きになっちまったんでしょう。



ここがイイ!と思う所


・電子制御が少ない

大きくてオフロードも走れるバイク・・・アドベンチャーとカテゴライズされる機種には、多くの場合電子制御がついているようです。アクセルオンでの空転を防いだり、滑るのを抑制したり。TENERE700にはそういった電子制御が少なくて、ABSだけとの事。「エンジンの素性がよいので、電子制御は要さない」というのが開発者の談。なんとも頼もしい。
昔の人間なのりまつは、「電子ナントカ」「電動ナントカ」と聴くと「重くなる」「壊れるところが増える」「しかも壊れ方がわけわからない」などと悪いことしか思いつかないものでして。インジェクションの恩恵は受けてますけど。
余談ですが、今年の1月、トラクションコントロールとABSのついたHONDA・フリードで雪道を走る機会がありました。以前は同じFFのSUZUKI・スイフトにチェーンを巻いて同じ道を走りましたが、タイヤのグリップ力と縦横のGのせめぎあいの中で活路を見出すヒヤヒヤ感と面白さがありました。しかしフリード君は足元の電子制御ですべて解決してくれていて、なんだかわからないけど安定している。安定しているけどなんだかわからないので、ちょっと気味が悪い。
コケるもスベるも自分次第なオフロードバイク界の住人としては、路面からの沙汰がカットされてしまうのはあまり気持ちのいいものではないと感じる。そういう意味でTENERE700のアナログっぷりは大いに歓迎でっす!


・並列2気筒

同じ排気量でも2気筒になればその分重くもなりますが、振動が和らぐ。スムーズになるので加速のコク感(オラァ!って尻を蹴っ飛ばされて加速する感じ?)が減るかもしれませんが、それは快適さとのトレードオフ。これなら遠くまで行けそう。
でも690EDも6000rpm付近での巡行は振動少なかったかも。


・デカいカウル(?)
 
ジジイになってきました。高速で飛ぶのはいいけど風がつらくてのう。妻のCB400スーパーフォアスーパーボルドールスーパーローダウンのスーパーカウルがうらやましかったのです。TENERE700にはすごいのがついてるから楽々~…だといいんだけど。

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CB400スーパーフォアスーパーボルドールスーパーローダウンのスーパーカウル。

・目が4っつ!

YAMAHAのデザインって、一見「ウッ」ってなる異形さを感じるものが多い気がします。しかし実物をそばで見ると、味というか造形美というか、ほれぼれとするようなエレガントさが頭をもたげ、飽きがこない。この感覚ははやとぅさんのYZF-R6を間近で見たときに得たものでした。
norimaz.hatenablog.com
今回のTENERE700も同様の感覚を得ました。写真やPVで見るよりも、昨年の東京モーターショーで見た実物の方がはるかにかっこよく、飽きがこない。しばらくTENERE700の周辺から離れられなかったほどです。


・はじめっからオフロード走る気満々。

 コンセプトモデルから直近のモノまで、プロモーションの映像はオフロードを走っているのが大半。着想自体が「このエンジンでオフバイク作ってみたい」というらしいから、もうオフ走る気満々なんですね、生まれる前から。
www.yamaha-motor.co.jp
「オフロード走れそう」とか「走ることもできる」のではなく、「オフロードを走るために」という生粋のオフロード族。そうでなければKTM690ENDURO「人麻呂」の後継機にはなれないのです。心待ちにしていましたよ。



スペック的なもの


気になるスペックをいくつか。

・シート高 875mm
オフロードバイクなのでやはり高い。875mmというとKLX250とかCRF250Rとかのトレールバイクぐらいの高さで、セローなどよりも全然高い。モーターショーでまたがった人達が「高い!」と言っていましたが、展示の為直立で固定されてるから足がつかず、余計高く見えたかもですね。実際はお尻をずらしたり車体を傾けたりすれば、このディスプレイでの足つきほど恐れることはない。
ちなみにセカンドシートは分割式。のりまつとしては、タンデムツーリングを楽しみたいので、オプション設定されている快適リアシートを選びたいところ。

前照灯
なんと4つも?!ちっとも明るくない690EDから比べたら、まるでナイターの照明のようでしょうね!それにしても悪そうなツラです。なんとなく、マスクをはがされたウォーズマンっぽい。年がバレる。上2つが常時点灯、下2つがハイビームだそうです。

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似てないか(汗
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ちょっと志らく師匠にも似ているような。

・一応、パワーとか重さとか
数値には正直あまり興味ない。数値って意外とあてにならないなって思う所がありまして。
過去に乗っていたXT660X「市丸」のパワーは、カタログスペックで48ps。177Kgの車重、パワーウェイトレシオは3.6Kg/ps。たいした数字じゃないと思っていたけど、加速感はさながら荒れ狂う猛牛のよう。猛牛に乗ったことないけど。
また26ps/111Kgのスーパーシェルパと20ps/130kgセローを、同じコースで乗り比べました。数値で言ったらセローの完敗。しかし乗り出してみるとパワーは若干劣る感じはあっても重さにさほどの差は感じなかった。
こんなわけで数値はあまり気にしていません。ただ、690CCの2気筒をYAMAHAが作ってるんだから、ワクワクするような加速感と高速巡行性能は期待してます。
参考までに・・・最高出力:72ps/9000rpm 最大トルク:6.8kgf・m/6500rpm 車両重量:205kg
www.yamaha-motor.co.jp




プロのインプレッションと素人の感想文:東京モーターショー実車に触れてみて。


日本でも発売することが正式に発表されたころ、元ラリーライダーの三橋淳さんがネットと紙の雑誌「月刊オートバイ」で、モーターサイクルジャーナリストの松井勉さんが「CARグラフィック」でインプレッション記事を上げています。
この記事によってずいぶんイメージが具体化しました。それを東京モーターショー(以下TMS)で実物に触れて「なるほどこういうことか」と確認できた。さすがはプロの記事です。
www.autoby.jp
www.webcg.net


彼らの記事によると、まずハンドルが少し遠めだということ。三橋さんも松井さんも180センチを超える体躯の持ち主。それが遠いと感じるということは、まあまあの遠さかと。TMSで178センチののりまつがまたがってみたところでも、やはり普通のオフ車よりも少し遠い印象でした。そして、スタンディングをするとちょうどいいという三橋さんのコメント通り、立つとちょうどいい!オフではスタンディング必須?!

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178cmののりまつ、シッティング。ハンドル、ちょっと遠い感じです。
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スタンディング。このアングルだとわかりにくいですが、しっくりくる。Gに備えて軽く前傾した体勢で、そのまま腕を下ろしたところにハンドルがある感じ。早く走ってみたい!

足回りは、プロモーションに登場するような走り方をする感じではなさそう。松井さんの記事にある「麗しの最大公約数」との表現。コースで振り回すような走り方よりも、ツーリング先で出会うダートを楽しく走るためのオフロード性能。これってまさにセローの一般的な使い方じゃないですか。(中にはセローをレースで振り回したり森で投げる人もいるみたいですけどw)

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プロ、お仕事中。かっこよすぎ・・・
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↑ヨイコハマネシナイデクダサイ

実際にTMSでまたがってみた感じからしても、これはデカいセロー、セロー700と言ってもいいのでは、と思いました。タンクとかもちょっと似てるんですよね。エンデューロからロングツーリングまでこなすスーパー万能マシン「セロー」に唯一足りなかった「高速での余裕」が、TENERE700でカバーされた。といったところでしょうか。



で、いつ世に出るの?


PVの配信はここ数年繰り返し行われていて、どれもかっこいい。やがて、日本で発売するぞ!という信憑性のある情報が!

そして3月11日YAMAHA大本営発表。正式に発売日が決定したようです。

Xデーは2020年6月5日!

お値段はひゃくにじゅうろくまんごせんえん、ぜいこみ!

しかし日本での取扱店舗はヤマハアドバンスディーラーのみのようで、そこらのバイク屋では買うことができない。しかも生産台数はかなり少な目という情報もあり、バックオーダー待ちになりそうな気配も。実際に嵩屋天狗堂に配備されるのはいつになることやら。
www.yamaha-motor.co.jp

出入りのバイク屋に圧をかけまくったところ、他の支店がアドバンスディーラーらしく、そこから取り寄せてくれるとの事。契約もしたし、ひとまず手には入りそう・・・かな。そして、発売予定日はどこかのビールみたいな病気がはやったせいで、7月31日に延期に。時は金なり理論で、延びた分安くならないかなw



嵩屋天狗堂に配備されるのは


面構えが悪そうなので、永遠のワルカラー、黒にしました。赤白もかっこよくて最後まで迷いましたが、アレはきれいに乗らないとかっこよくなくなる気がしました。汚くしておくつもりはないのですが、どうしてもオフロードを走ると汚れるし、性格から細部までの洗車をしていく自信がありませんで。
着ける予定のオプション(Y'sGEAR)は、まずツアラーなので、キャリアとグリップヒーター。奥方様用にコンフォートタンデムシート。オフをバリバリ走るので、ラジエーターガード。後は割ったら高そうなヘッドライトのガードを着ける予定です。どうでもいいけど、名前は「魚丸」にします。ウォーズマンに似てるし、四ツ目魚だからです。

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「魚丸」想像図。アクラポビッチは、日本ではオプション設定なし。憧れ止まりかな。




恋と同じで、こういう時期ってワクワク楽しいんですよねっ♪






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