嵩屋天狗堂~はてな支店~

オフロードバイクアリマス。

Tenere700、防御力アップを目指す。

心はいつも守主攻従、嵩屋天狗堂・番頭ののりまつでございます。攻めた走りをするにも盤石の守りがあってこそ。すっかりオフ車化した魚丸ことTenere700の、あくなき防御への探求についてお話します。

 

 

 

バイクでオフを走るからには色々守りたいものがある

 

 

魚丸は初めて新車で買ったバイク。

 

オフ車の末路は覚悟しながらも、きれいなバイクはやっぱりかっこいいと思い、できればきれいなままに乗っていたいと願うものであります。壊れたら治さなきゃですしね。そういうキズやトラブルからバイクを守りたい。

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汚くなるんですよ、どーしても。

https://offroad-bike.com/?p=211

 

 

それにバイクにキズが付くようなときは、自分もただじゃ済まない可能性だってあります。そういうケガからも身を守りたい。

 

 

 

 

そんなわけで、のりまつバイク史上初、エンジンガード(クラッシュバー)なるものを導入しました。
www.parts-accessory.jp

 

 

が!

 

 

見るも無残な結末に・・・。

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曲がったステーがオイルパンを圧迫しているの図


norimaz.hatenablog.com

 

このエンジンガードで足が守られたのですが、エンジンは守られなかった。構造に問題があり、エンジンをクラッシュするバーとなってしまったのでした。

 

 さらにツイッターのフォローしているTenere700乗りの方も、状況は違えど同じヘプコ&ベッカー社のクラッシュバーがヤバい壊れ方をしてしまい、交換せざるを得なくなったそうです。

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これ以上同じような憂き目を見る人が出ないよう、販売元を通じてヘプコ&ベッカー社に写真付きで報告してもらいましたが、音沙汰はありません。

 

 

 

 

募る不信感

 

 

こんな経緯があって、「ガード」と付くものを猜疑の目で見るようになりました。もう、どのクラッシュバーも、何かが干渉して余計なところが壊れるんじゃないかとしか見られない。

↓↓こんな実証動画見ても、まだ信用できない。

www.youtube.com

思い切ったことをするね。

 

この動画でもまだ納得できなかった理由として

・アッパーがないと十分に効果が発揮できないのでは。

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アッパーありきなのかな。

・リアのステーがないとこんな風にはいかないのでは。

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リアのステーありきなのかな。

・真ん中のマウントが、やはり薄くて長いステーを介している。

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ひとコケで曲がっちゃいそう。

・リア側のマウントがエンジンマウントと共締めになっているが、壊れる時はこの溶接やステーもろとも逝くってこと?

 

などなど、いっぱい出てきます。

 

ちなみにこの商品。

 

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Yamaha Tenere700 (20) クラッシュバー OUTBACKmotortek

アッパー側とロア側に分かれています。ボルトむき出しで、粗野な感じが逆にかっこいいかも。のりまつは資金的にロア側だけでまとめたいと思っているので、上記のような心配がでてくるのですね。

 

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しかしもうだめだ。一番理にかなっていそうなOUTBACKのクラッシュバー見ても信用できない。結局今回みたいに「ない方がよかった」という壊れ方をしそうで。安いもんじゃないし、今回みたいに使い捨て出来るほど潤沢ではない。

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他社のも、こんな風に弱そうなステーを介してマウントしています。


 

というわけで、鉄骨ガードはあきらめました。ホントはきっと、守ってくれると思うんですうけどね。奥方のCBのガードはいい仕事してるし。

 

 

 

 

何をどう守るか

 

 

ただ徒に不信感を育て、クラッシュにおびえているだけでは芸がありません。なので漠然と「守る」と考えるだけでなく、何をどう守る必要があるのかを検証します。

 

守りたいものその1・自分の脚

何としても絶対守らなきゃ!バイクでコケてケガをして、仕事に穴をあけるなんて、絶対避けたい。痛いのもイヤ。不自由なのもイヤ。お金もかかるしイイ事は一個もない!でも鉄骨ガードを使わないとしたら、どうしよう。

 

守りたいものその2・外装

・・・は、あきらめます。傷ついても傷だけで済むしね。ネジ外して替えればいいだけだから、優先順位は一番下。

 

守りたいものその3・エンジン

どうしても守りたい。これまでのオフ車と違うのは単気筒でなく「ツイン」である事。つまり横に出っ張っているのです。出っ張ったクランクケースに跳ねた大石がヒットしたら・・・ゾッとします。

しかしよく見ると、出っ張っているのはクランクケースだけで、シリンダーから上はフレームの中に入っています。じゃあ、このクランクケースを守ろう!

 

防御について悩んでいたらば、ある人から勧められたのがコチラ。

 

www.aliexpress.com

MT-07用なんですね。中華クランクケースガード。お値段もお手ごろだし、購入!ぽち!

 

現物は軽くて頑丈そうで、なかなかよさそう。取り付け方法は、クランクケースのネジと共締めする方式。さっそく取り付けにかかろうと、クランクカバーを外そうとすると・・・オイルが垂れてきた?!

ネジを外せばオイルが垂れる・・・当たり前の事かもしれないけど、急に不安感が。この中華パーツの中華ネジに、ここの締め付けを任せていいものなのか。

 

ガードの取り付け方法に一抹の不安を覚え、また猜疑心が頭をもたげる。ググってみると、同じマウント方法のエンジンガードが、破損しない代わりにクランクケースのネジ穴ごとモッキャリ逝っている写真を発見!これを見ちゃったらおしめエよ。こうして中華クランクケースガードは、あえなくお蔵入りとなりました。

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これまでの悩みを見返すと、どうもマウント方法が気に入らないみたい。じゃ、純正のガードはどうなっているのか。

純正のアンダーガードは、フレームにマウントされています。正確にはフレームではなく、エンジン保護のための鉄骨で「ダウンチューブ」と呼ばれており、フレーム本体にネジ止めされています。まあ、ガードパーツという事であれば、唯一マウントするに適した場所と言えそう。

 

ということで、アンダーガード(スキッドプレートとも)をデカくてガンジョーなものに交換することに決定!

 

 

 

 

アンダーガード

 

 

とにかくでかいモノがいい。

そしてなるたけマシンを真っ黒にしたいので、黒がいい。

 

で絞られたのがコチラ。

 

AXPレーシング

www.dirtfreak.co.jp

 

OUTBACK MOTORTEK
bonsaimoto.jp

 

他のは黒がなかったり小さかったりで却下。少なくともクランクケースよりは張り出しているモノを選んでるつもり。ただなにぶん、写真だけが頼りなので実際はどうかな。

 

 

とにかくでかくてカバー範囲が大きいAXPにしてみよう。レースとかでも実績あるみたいだし。ぽち!

 

後日。

 

 

品切れー。次はいつ作っかわかんね。f:id:norimaz:20201013234435p:plain

ってメールが来ました。手に入らないとなると余計残念感が。

 

 

仕方ないのでOUTBACK MOTORTEKにします。BONSAIMOTOさん、お願いします。ぽち!

 

さて、海外モノだし、1か月ぐらいしてズダボロの箱で届く感じかな。

 

と思っていたらば。

 

数日後、きれいな箱で届いた・・・。在庫があったのかな。

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という言わけで次回!

カナディアンクオリティを満喫する、装着工事の状況をお伝えします。

 

 

 

 

 

SSTR2020、やっと、やっと!

秋の夕日に照る嵩屋天狗堂・番頭ののりまつでございます。色々あって秋の開催となったSSTRを楽しみにしている、しがねえバイク乗りの話をします。

 

 

 

 

ビールみたいな名前のにっくきアイツとSSTR

 

 

例年だと5月に開催されているイベントですが、例のあいつのせいで延期となっておりました。しかし運営さん、病気と経済のバランスや国民感情をやりくりし、10月から形を変えて開催してくれる運びとなりました。お疲れ様です。

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10月「から」というのは、例年のように1日だけをイベント日とするのではなく、10月1日から来年の3月31日までの間のどこかで自分のSSTR日を決めて、その日にルールにのっとってゴールすればよい、という形のオープン開催になりました。ただし、元の開催日であった10月24日は設定不可。密を避けるための配慮ですね。現時点で越県は良いとされているし、最小限の落としどころかな、と思います。賛否両論あるようですが、よく考えてくれました。

sstr.jp

 

ちなみにSSTRのルールとは。

スタート地点:太平洋側の海岸線のどこか好きな場所。瀬戸内海やオホーツク海なども可。これは公式サイトに詳細の取り決めが記載されています。

ゴール:石川県羽咋市宝達志水町にまたがる「千里浜」。

制限時間:日没。

その他:決められた「指定道の駅」でチェックインする事。

 

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SSTRのスタート規定。

朝迎えた日の出を、日本の反対側で見送るのです。ちょっとした太陽へのリスペクトかもしれません。

 

 

 

 

MySSTR2020

 

 

今年のルールにのっとって定めた自分のSSTRを、公式では「MySSTR」と呼んでいます。のりまつのMySSTRは、と。

 

いつも一緒にツーリングしているオフロード仲間がいます。4年前ぐらいから、皆でSSTRに参加するようになっていまして、それぞれの場所からスタートし、千里浜で完走の喜びを分かち合うのが楽しみとなっておりました。

開催方法が変わった今年も、みんなで予定を合わせて参加することにしました。一人でも楽しいけど、やっぱ仲間が待っていると思うとワクワク感が違います。これがのりまつのMySSTR。Dデイは10月17日!

 

 

 

 

ヒ206号作戦

 

 

今年はいろいろ違う。まず、投入する機体は最新鋭の長距離戦略機Tenere700。これまでのKTM690ENDUROより出力が高く空力も優れているため高高度での運用が得意となる反面、不整地では若干不利となる。また転倒時のリカバリーやパンク時の修繕など、不測の事態の対応がより困難で煩雑になる。

 

また10月ともなれば、日の出から日の入りまでの時間が例年の5月に比べ3時間ほど短くなる。スタートルールは変わらないので、巡航速度を上げるか作戦距離を短くする必要がある。

 

さらに悪い事に、季節が収穫の秋であるという事。道々に「きのこ」「りんご」「新米」「新そば」などと言った危険なトラップが仕掛けられていることは想像に難くなく、その種類も枚挙にいとまがない。これらを食破もしくは買破しながらの行軍となるため、遅延とならぬよう細心の注意を払っていく必要があるが、おいしさのあまり時間を忘れてしまう危険性が高い。本作戦が非常に困難であると言われる所以はここにある。

 

しかし悪い事(?)ばかりではない。

 

海から登る太陽を拝むには、東に面した海岸をスタートとする必要があった。東と言っても、例えば三浦半島は房総半島があるため海からの日の出とはならない。

しかし今回の場合、日が短くなる分、日の出の位置がだいぶ南にオフセットされるため、選択肢が増える。

 

これらを踏まえ、ルートを作成。

 

まず、巡航速度を上げる為には高速道路を使用するのがよいが、それでは本作戦の意義が薄れてしまう。そのため、作戦距離を短くする方法を取る。

ゴールまでの距離が短くかつ、5月ではありえない海からの日の出を拝める場所で絞っていくと、遠州灘が浮上してくる。

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5月の日の出日の入り方向。完全に陸方向です。

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10月の日の出日の入り方向。日の出は御前崎沖から見えるようです。


日の出サーチとグーグルマップですり合わせ、展望のよさそうな場所を探索・・・

 

その結果、出発地は静岡県磐田市の「掛塚灯台」に決定。

 

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掛塚灯台周辺ストリートビュー。晴れていれば絶景が拝める!

ここから中山道の思い出深い地と、広重の描いた甚平坂を通り、裏木曽街道を抜け、飛騨一ノ宮を参り、その後は時間の猶予を見て高速と下道を使い分け千里浜を目指すルート。ちなみに今回は、機体の運用の習熟度の低さと整備性の問題から、不整地は除外する。

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中山道大井宿の東、甚平坂。思い出なんですよ。

 

これならよい戦果が期待できそうである。あわよくば、道の駅サンセットパーク内灘で超高級ソフト「クレミア」を食したいものだ。どこでも売ってるけど。

 

 

 

 

色々あるけど

 

 

半分あきらめかけていたSSTR2020。能登自治体の関係者や運営さんたちは、大変ご苦労されたと思いますすし、すべての人が歓迎しているわけではないのでしょう。その辺は心にわきまえつつも、今年だけの変則SSTRを楽しみたいと思います。

 

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いい番号♪

 

 

 

迷える森からの脱出。

好きなことの前途なら、いくらか多難でも頑張ろうと思う嵩屋天狗堂・番頭ののりまつでございます。前回、不完全燃焼な初陣でマシンも中破という憂き目を見ましたが、賢人の導きによって光明を見出したというお話をします。

 

 

 

 

土2号作戦「雨の森で賢人に挑め」

 

 

YAMAHAの誇るラリーレイドマシンは、かつて世界的なラリーが開催されていた地になぞらえ「Tenere」と名付けられてきました。そのTenereがラリー界を席巻していた頃から、Tenereを愛機とし、国内外のラリーに参加している人たちがいます。

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一口にTenereといっても色々ございます。

謎の人脈をあまた持っているMP姐さんの紹介で、今回この由緒正しきグループの片隅にお邪魔させてもらうこととなりました。

 

そして先日、初めてそのグループのツーリングに参加させてもらったのです。

 

行先は赤城山周辺の林道。そんな大ベテランがTenere700で連れて行ってくれる林道って、どんなところだか不安になります。「基本フラット」とは聞いていますが、フラットの基準は人それぞれだしなー。

 

 

 

 

集合

 

 

栗原川林道が通れた時は、いつも集合していた道の駅。その隣接のコンビニに集合となりました。天気は微妙だけど、中止の連絡はなし。

「なるたけ荷物は背負い、バイクには付けない方がよい。トップケースは外して」という賢人のアドバイスに従います。もとより心がけていたことで、我が意を得た心持ち。オフでは邪魔になるトップケースを外し、エンデュリスタンのサイドバッグに換装。オフ部分で荷物の一部を背負えるように、サイドバッグにリュックサックを詰め込みました。

 

ギリギリストののりまつですが、さすがに今日は早めに到着しました。少し待つと、2台の青いTenere700が。

一人はラリースト賢人Kさん。気さくでトークが軽妙洒脱。のりまつの魚丸を眺め、即座に不自然な点を看破するなど、さすがの眼力でもあります。マシンの方はガチオフ仕様です。純正のヤワいハンドガードはZETAのモノに交換され、出っ張ったクランクケースにもカバーが。右側はワンオフで作ったというカバーで、マフラーのジョイント部分もワンオフサイレンサー自体は安く購入したもので、コケてもいたくないそうです。

もう一人はカメラマン賢人Oさん。寡黙な印象で、マシンの方はほぼノーマルでしたがローダウン仕様となっており、パフォーマンスダンパーがついておりました。

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二人とものりまつより10ぐらい上かな。これからこのパーティーで、どんな旅が始まるやら。

 

 

 

 

賢人の導き

 

 

Kさん先頭、Oさんしんがり、のりまつは真ん中の編隊で、森に向かいます。わき道に入ったところで、Kさん停止。隣に来るよう手で指示がありました。ここでレクチャータイム。

 

内容はとても基本的なことで、これまでも何度も聞いてきたかもしれません。すなはち

・ハンドルグリップは、ドアノブを回す感じで握る

・すると肘を張る感じになるので、そのまま大きなボールを抱えるような姿勢を作る

の2点。

妻がスクールでこのように教わっているけど、オンだけかと思っていました。オフ歴40年の賢人が言うのだから、ホントに基本なんだろう、と思い直し、気を付けます。

特に今ののりまつは、先日の土1号作戦での結果が思わしくなく、解決策を渇望している状態。教えてくれることは何でもしまっせ!

 

それを意識して、ダートに入ります。Kさん、あっという間に消えるかと思ったら、絶妙に見える位置ぐらいでペースを維持しているようです。イントラ走りですね。その上で、再度停止、レクチャー2。

・ダートではスタンディングが望ましい。

・スタンディングは、膝を伸ばして行う。意識して曲げなくても、膝は勝手に曲がるから

の2点。そうか。スタンディングって、路面からの入力に備えるために膝を曲げていました。そのせいですげー疲れて、維持することができずに座っちゃっていた。伸ばしておいていいならだいぶ楽だよ。やってみよう。

 

スタンディングで、膝を伸ばしたまま走り出します。膝をピンと張った絶対曲げないマンにはなりませんが、基本伸ばしていていいと思うと苦しくない。それでいて路面にも追従できる。腕は大きなボールを抱える状態で、衝撃を吸収できる構えになっているので問題なし。イイ感じです。

 

分岐点でちょっと休憩の時にレクチャー3。

・外側の膝は、曲げる。

右カーブなら、左ひざが曲がります。すると、体が進行方向を向くんですね、勝手に。よくへそを向けるとか骨盤を回すというのがありますが、それと同じことと感じました。しかも、より呑み込みやすい。スタンディングならではの覚え方ですね。

 

これを実践すると、自然とバイクが向きを変えてくれるようになりました。だいぶ楽しくなってきました。あんなに乗れなかったTenere700を、ずいぶん操れるようになってきている感触を得ました。正確には、それまで乗っていたオフ車と同じように操れる感じがしてきた、と言ったところ。

 

路面が少し濡れていて、とても走りやすいコンディションではあったけれど、賢人の導きで短時間でここまで復活できた。すごいです。

 

 

 

 

雨の森

 

 

レクチャーを受けながらも旅は続きます。進路は本道ではない方へ取り「クマザサ」とKさんが呼んだ道(?)に入ります。入口に小さいターンを要する場所があり、そこに向けてアクション起こしたときに立ちゴケ!つまんなくコケ傷を作ってしまいました。

ふと先行したKさんを見ると、草むらの中でスタックしていました。救助に向かうと、草むらの中に無数に転がっていた50センチから1メートルほどの木のかけらが一つ、KさんのTenere700の腹部に刺さっていました。協力して抜き去りましたが、この木のかけら、怖い!

結局別の入り口から入ったのですが、ここにもその木のかけらが草の下に隠れていて、これに足をすくわれ、コケてしまいました。右のレバー、曲がりました。だんだんオフ車らしくなってきました(泣)

 

クマザサの道を下っていくと、複数本の木がまとめて横たわっているところに出くわします。さすがのKさんもTenere700でまたいで行くのは控え、エスケープルートを取ろうといったん停車しますが、うしろのOさんとインカムで何か相談している模様。

 

「撮影しまーす」とKさんの号令。もしや、カメラ賢人のOさんに撮影してもらえる?!LINEグループで、Oさんの撮ったと思しきかっちょええ写真が共有されていたのを見ているので、今日はそれを楽しみにもしていました。

 

写真を撮るべく先に行こうと直進したOさん。どうも横たわっていた木が見えておらず、ルート修正ができるギリギリのところでKさんに声をかけられ何とか停止。デカくて重いTenere700で、このルート修正は難しそう…と思って見ていたら、やはり坂を上り切れず谷側に足を着こうとして転倒。初ゴケだそうです。

谷側にコケると、起こすのは3倍難しくなりますが、3人で力を合わせて起こしました。Kさんが代走してなんとかクリア。ホッとしたのもつかの間、後ろを振り返れば魚丸君がお昼寝してるではないですか。1速に入れて、スタンドを落ちていた木っ端に立てて置いたのですが、ギアのバックラッシュ分わずかに前に出てしまい、スタンドが逸脱して寝てしまったようです。ここまでですでに3回。そのうち2回は一人で起こしました。もともと腰の調子が悪く、限界が近い。でもKさんがすぐ来てくれて、なんとか起こすことができました。

 

そんな苦労して、撮ってもらった写真がこちら。

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オラ、かっこいいだか?

 

その後もクマザサの道を下りますが、路面自体もイヤなぬるぬる感があることを感じていました。そして少し急で長めの坂に差し掛かると、先行のKさんの付けたブレーキ痕が目に入ります。これはブレーキかけても滑るだけで減速せず転倒を誘発することを意味します。このために車間は取っておきましたが、ぬるぬる路面を加速していく恐怖感は何ともいえない!たまらずクマザサの中に入ってみると、意外とグリップする。うまく停止して体制を立て直していると、後ろから来たOさん、やはり転倒してしまいました。正確には転倒する事で追突を避けた、と言ったところでしょうか。スイマセン、のりまつが止まってしまったばかりに。

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先行車のつけたブレーキ痕がおわかりいただけただろうか。

これのリカバリーを手伝い坂を下りきると、そこはKさん「ここに連れてきたかった」という場所。

あたり一面をクマザサが覆い、そこから生えるまばらな木立が陽をさえぎり、うっすらと霧が漂う神秘的な場所。折から降り出した霧のような雨が、サーっと葉をたたきます。なんとも気持ちのいい空間です。

 

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ここで、撮影会。

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KさんのTenere700、ガチオフ仕様。

 

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OさんのTenere700。ローダウン仕様。


 

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のりまつと魚丸。

 

ここに来るまでに何度もコケ、いろいろな学びを得ました。雨が降っていたのと、すでにお昼が近かったこともあり、下山しランチタイム。ふもとに降りると、気持ちのいい天気になっていましたが、この後の天気も快方には向かわない予報だったので、ランチ後に解散となりました。

 

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水沼駅前にあります。看板はウソじゃない!

 

 

 

 

史上最短の作戦

 

 

振り返ると、今回の作戦は嵩屋天狗堂史上、最短だったかもしれません。9時過ぎにスタートし、12時にはふもとに戻っている。距離にしても10キロに満たない。

 

しかし反面、史上最大の戦果を得た作戦となったかもしれない。森の霧雨のようにモヤモヤしていた精神状態が、下山したころの青い空のように晴れ渡っています。

「楽しくない」と感じたTenere700でのダート走行が、一転「楽しそうな題材」に様相を変えている。そして、教えてもらったことが空ろとならぬよう、早く次のダート旅に出たいと、前向きな気持ちが戻ってきている。

 

何度もコケて本格的に「外装慣らし」が済んで、レバーも曲がりました。人麻呂もレバーが曲がっていました。他の2台は傷だらけです。きれいにしておきたかったけど、この作戦ですっかり嵩屋天狗堂の機体らしくなり、同じ目線の高さになった気がします。

 

 

 

土2号作戦の戦果は、大きな出会いのおかげで前回の失策を補って余りあるものとなりました。やっぱ、オフロードは楽しいッス!

 

 

 

次はどこに行こうかな。

 

 

 

 

Tenere700魚丸、ジャブローに散る!

マシンの違いが戦力の決定的な差ではないことを思い知る嵩屋天狗堂・番頭ののりまつでございます。僕みたいな下級のパイロットがガンダムに乗ったって、ザクすら墜とせないで自滅するんですよ、きっと。

 

 

やたらとひがみっぽい書き出しですが、Tenere700魚丸の主戦場、オフロードでのインプレッションをお送りします。

 

 

 

 

土1号作戦「僚機と共に樹海を突破せよ」

 

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初陣にはもってこいの青空だぜ!

オフロードでの初めての作戦となる今回の舞台は、群馬県のダート。以前、KLX250兆太郎で行ったときは、さほど荒れた印象はない林道だったので、初めてでも大丈夫かと思って挑んだのでした。

 

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魚丸、行きまーす!

この林道で、初めてTenere700でオフロードに足を踏み入れてみてのの感想・・・

 

 

 

コイツ、オンロードバイクか?!?!

 

まず、リア周りからぶっ壊れたような音がガチャン!バン!ゴカン!とやたらと聞こえてきて突き上げがすごい来る。そして小石にいちいち前後のタイヤを跳ね飛ばされ、アクセルが入れられない。サスペンションが、路面からの入力を全然いなしてくれていない感じ。この路面にこんなハーダーサスは玄人向け過ぎやしねえっすか?!コケたくないという気持ちが強いせいもあってか、ちっとも楽しくない。まるで陸に上がったゾックだ。

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水陸両用とは言うけど、やっぱ水中で冴えるゾック。

 

命からがら、先行した皆が休んでいるポイントに着くと、皆さん口々に「今日のこの林道、怖いんね」と言っています。

そうか、乗りなれたマシンでベテラン勢も怖いってことは、道が悪いんであってマシンが悪いわけではないんだな。少しホッとしました。 

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第1休憩地点にて。ここでダンパーの調整しました。

しかしあの跳ねっぷりは看過できない。690ENDURO人麻呂でそうしていたように、ダンパーを伸縮前後すべて「一番SOFT」に設定しました。ちなみに空気圧は未調整で、出荷時のまま。パンクするのが何より嫌なので、普段から空気を抜く習慣がないのです。

ダンパーの調整により、それまでのようにギャップに跳ね飛ばされることは少し減り、いくらか安定してきました。しかし左右の倒し込みが鈍くなって、重ったるくなった感じ・・・。

しかし後半のフラットな道は、まあまあ快適に走れました。コーナーの立ち上がりで少しアクセルを入れ込むと「ぬべっ」と粘りながら車体を前に進め、大きなスライドはしない。柔らかくしすぎたか、ちょっとわかりにくくてコントロールしにくい感じ。もっと思い切ってアクセル入れても大丈夫なのかな・・・まだまだ研究の余地があります。

 

こうして、最初の林道はハラの探り合いみたいな感じで走り終えました。

 

 

次の任務地は、秋鹿大影林道。フラットだけど、浮いていない中ぐらいの石が多く、かなりガタガタした道です。

 

ダンパーを弱めたことでだいぶ快適にはなりましたが、どうも操縦しにくい。スタンディングするといくらか操縦しやすくなりますが、疲れちゃうし地面から体が遠くなることの怖さもあって立ってらんない。

 

座ると相変わらず思いどおりヒラヒラと荷重移動できず、いつもと違う粘ったリアの挙動で、なんとなくスッキリと曲がれない。うまくシンクロできないせいで超鈍足走りでフラストレーションがたまる。

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霧峠にて。とりあえず、Tenere700でもここに来ることができました。


 

その次の林道もそんな風にモヤモヤ走っていたら、何でもない左カーブで突然現れた浮き砂にリアを滑らせ、リカバリーできず左を下に転倒!!そういえばここは、いつも滑って転びそうになる場所でした。くっそー。とうとうやっちまった。 

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ハンドガードとエンジンガードが傷つきましたが、カウルとエンデュリスタンのサイドバッグは無傷。

普通こうしてコケた時、下になる足にバイクがのしかかってくるのですが、その感覚が全くない・・・左足が下敷きになる事もなく、かすり傷一つ負っていない。そう、HEPCO&BECKERのエンジンガードが、いい仕事をしてくれたのです!これは素晴らしいと思いました。コケた軌跡を見ると、タイヤが滑った跡の数メートル先に、ガードが土を削った跡がありました。ガードには派手に擦り傷がついていて少し曲がったみたいですが、さっそくお役目を果たしてくれました。

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曲がってエンジンとの間隔が狭くなってる・・・

 

 しかし走りの方は相変わらず。そのまま要領を得ずダートをもたもた走り、1キロの直線ダートでフラストレーションを吐き出しましたが、初めてのダートは、イマイチスッキリしない戦果となりました。

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1キロ直線ダート。人麻呂君でも走ったなぁ。

 

ダートを走り終わった後、真夏の絶景を楽しむべく野反湖を目指しました。峠の休憩所のある駐車場は、砂利の斜面。ここで絶景をバックに魚丸君の写真を撮るために車の間に停めてしまいました。

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会心のワンショット!しかしこの後、続々と悲劇が・・・

 

するとどうでしょう。そこから動かすことができなくなってしまったではないですか!

 

引こうにも勾配があるし重いし、踏ん張ろうにも深い砂利に足を取られるし、押せば柵や車に激突してしまうし、スタンドターンも深い砂利に埋まるのでできないし。いつものつもりで考えなしに突っ込んだら、とんでもないことになってしまいました。

こういうところは、やっぱり普通のオフ車じゃないですね。普通のオフ車なら、はずみの理・車の理・てこの理などを活用して、どうにでも投げられるのに。

 

困っていたら、仲間のKKさんが助けてくれました。さっき転んだ時もさっと駆けつけ手を貸してくれた。ぶっきらぼうだけど優しいライダー。ぼくもこういうおとなになるようにがんばるんだ(手遅れ感)

 

 

 

 

魚丸、中破!!

 

 

澄み渡る空と湖水とは裏腹に、ソフトもお預けでスッキリしない30分程の休憩時間を終え帰路に就こうとバイクに戻ると、何やら車体の下の地面が黒い液で汚れている・・・?

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うわまじか

 

なんと、魚丸君がオイル漏れを起こしているではないですか!どうして今?転んだ時は大丈夫だった。この駐車場でイゴイゴしてた時も漏れてない。それが今になってナゼー?!?!

 

いったい何が起きているのか、ベテランのおじさんたちと検証。どうやら曲がったガードがオイルパンを押して接合部をゆがめてしまい、そこから漏れてしまっているようです。

 

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伝われ

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HEPCO&BECKER社を含むいくつかのエンジンガードは、メイン部分をパイプで形成していますが、車体にマウントするためのネジ穴が開いている部分は板状になっています。

この板状のステーからパイプ状のメイン部分が生えている状態ですが、今回はこの板状のステーが大きく曲がってオイルパンを圧迫していたようです。

 

 

オフロード駆け出しのころ、地の果て「大弛峠」でSUPERSHERPA兆治がオイル漏れを起こし、遭難しかけた記憶がオーバーラップします。ここもまた、地の果て。最寄りの駅、インターチェンジバイクショップのあるような大きめの街までは50キロ以上はある。ここで不動となれば、また数時間の待機を余儀なくされ、夏でも高所であるが故、寒さに震えるであろうことは想像に難くない。さて、どうしよう。

 

 

 

 

葛藤。そして帰還。

 

 

幸いオイルのレベルは最大量のちょっと下ぐらいで、結構残っている。エンジンをかけてみるが、それで急にたくさん漏れ出すわけでもない。そして野反湖からはしばらく下りしかないので、エンジンをかけなくてもある程度のところまでは行ける。だましだまし帰れるかも・・・。

 

しかし実はもっとヤバいトラブルが潜在していて、迅速な対応をしなかったせいで大故障に陥ってしまったら・・・そう考えるとここで動かず、レッカーを待った方がイイ。保険で帰りの交通費までカバーできるから、時間以外の被害はないんだし。そいつが大人のハンダンなんじゃないか・・・しかし、ここまでレッカーが来るのに何時間かかるんだろ。帰ってから車体が帰ってくるのも、これまでの経験上すごい時間かかるし。

 

迷った挙句、とりあえず下山することに。オイルパンを圧迫していたエンジンガードはネジを緩めて干渉しないように処置して。エンジンかけないで、重力に任せて坂を下る下る!万沢林道出口あたりから勾配が緩くなったり遅い先行車に追いついたりで時々エンジンをかけて走る。そうして道の駅六合に着いて、状況確認。オイルは漏れているものの残量にほとんど変化はなし。イケる・・・かな。

 

長野原の街にあるコメリに、4st用オイルがあるか電話で確認、あるとの事だったので寄ることにして、ここで皆とはお別れ。いつまでもノロノロに付き合わせるわけにもいかないし、対処の方向性もついた。

 

コメリでもオイルの減りはなかったので、エンジンをかけ低負荷走行で帰路に就きます。高速は使わず、加減速はゆっくり。登り坂は無理せず。10キロごとにオイルの残を確認しながら走りました。漏れは続いているものの、補充しなければいけないほど減ってはいない。

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一応2本、買っておきました。

 

そんな感じの綱渡りをする事約2時間。とうとう購入先のレッドバロンに帰還しました。結局コメリで買ったオイルは使わずじまい。

 

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無事ドック入りしました。

時間が経ってからオイル漏れしだしたのは、それまで熱くて圧迫に合わせて変形していたオイルパンが、冷えて柔軟性を失い接合部にゆがみを生じさせてしまったからではないかんとの分析でした。コケた後は、落ち着いてアレコレ点検しないといけないですね。コケた現場で気づいていたらすぐに対処できて、オイル漏れまではいかなかったかも。

 

後日レッドバロンから電話があり、オイルパンの交換だけで済むとの事。大けがにならずに済んでよかった。

 

 

  

 

土1号作戦、戦果は?

 

 

機体は中破で帰還。パイロットは無事。樹海は何とか突破できた。あとは脳内フライトレコードをフィードバックし、新たな課題を整理し次善策を講じてみます。

 

総評すると、これまで乗ったオフロード機であるSUPERSHERPA、KLX125、KLX250、690ENDURO、それに妻のSL230ローダウン、YY氏のWR250R。これらの中で唯一「楽しくなかった」。他の機体は、質は異なれど楽しい事には変わりはなかった。が、Tenere700は、終始楽しく乗ることができなかった。

 

それは690ENDURO以上に持て余すパワーと重さ。転ぶことへの恐怖(ケガと財布)。前に行こう行こうと焦る気持ち。そんなことが心を埋め尽くしてしまったから、かなと。

 

ま、振り返れば690ENDUROもしばらくはそうだったから。要するに腕と慣れと研究が全然追いついてないってことです。マシンが悪いんじゃない。わずかながら、フラットな路面では素性の良さが垣間見えていたし。

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KTM690ENDURO人麻呂。始めは「思春期」で付き合いにくかったけど、最後にはめっぽう楽しく乗れた。Tenere700魚丸は「ラオウ」って感じ。「小童が!10年早いわ!」って言われてるみたい。

 

しかしどうしたらTenere700で楽しく林道を走れるようになれるのか。いわゆるアドベンチャーバイクと一線を画す、ホントのオフロードバイクとしてお迎えしたんです。絶対に楽しく乗れるようになりたい!僕はきっとそれができる子!

 

それにはまず、状況を分析しないと。

 

そういえば乗っている最中、あるアクションをしていたことを思い出しました。

それは座って走っている時、無意識に体を前に前に持っていこうとしていたこと。もちろんタンクに阻まれて前に行くには限界があります。これってやっぱり、オフ車としてはハンドルが遠いってこと??

美ヶ原で出会ったTenereさんは、ハンドルを近くしていました。その方がいいのかな・・・?

ラリーストの三橋さんは、ラリーシートがあると良いと言っていました。確かにラリーシートなら、もう少し取りたいポジションに座れる・・・けど、シート高が35mmぐらいアップするらしい。

 

とりあえず、美しTenereさんの使っていたZETAのハンドルバーライズ&オフセットのパーツを使ってみよう。

 

 

ZETA(ジータ) バーライズキット 22.2mmバー用 20mmオフセット ZE53-0526
 ダートフリークによると、ワイヤー等は無加工で付くらしい。

 

あとは・・・ビッグオフの為のスクールでも探してみようか。気持ちは募るばかりだけど、他に次善策が浮かばない。

 

 

もう少し苦悩の日々が続きそうです。楽しい方の苦悩ですけどね。

 

 

 

 

Tenere700魚丸、就役!

常世の闇に封印されし炎の力、嵩屋天狗堂・番頭ののりまつでございます。今こそ解放の時、猛る熱土に黒き軌跡を刻め!うーん、なんか迫力ないですかねぇ。とにかく慣らしが終わってうれしいことを中二病っぽく表現したかったんです。

 

そうです、慣らしが終わりました。オイル交換と点検のため訪れたレッドバロンの工場長に

「早いっすねぇー」と言われ、なんだかちょっとうれしい。

 

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1000キロ達成!

Tenere700「魚丸」、すべての試験運用を終了し20200809、正式に就役となりました!

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オイル交換終了。魚丸、覚醒!

 

 

 

 

第1号作戦「美神の軌跡を追え」

 

 

えっと、就役後初めてのツーリングは、長野県のビーナスラインに、奥さんとタンデムで行きました。という意味ですw

 

毎年涼を求めて走るコースですが、山あり高速ありの走りごたえのあるルートです。

 

信越中部横断自動車道(佐久穂)~麦草峠~スズラン峠~大門峠~霧ヶ峰~扉峠~山本小屋~美ヶ原高原美術館~武石~上信越(東部湯の丸)

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ビーナスラインがハイライト!ですね。 

 

 

 

 

全開! 

 

自宅付近で満タンにし、いざ高速道路へ。

人麻呂君(KTM690ENDURO)ではいつも4速で合流していたのでそれに倣います。

初めて本気のフルスロットル。

グァーァァン!とハイテンションなメカサウンドを立て力強く吹け上がる。

振動は少ないけどいつの間にかスピードが乗っていて、放っておいたらあっという間に140キロぐらいまで達してしまいそうな勢い。

後ろから蹴っ飛ばされるような加速、というよりは4気筒エンジンのようなオラオラ引っ張りまわされる感覚に近い。

690ENDUROのような回すほどにパワーが盛り上がる感じは幾分少ないが、全域にわたって分厚い加速感が得られる感じ。プロの記事では「フラットな特性」と言っていたのがこのことか、と納得する。

例えばHustleJanitorことハイゼットは超実用エンジンで、いくら回しても「ただ回っているだけ」でパワー感は全然ない。シフトチェンジ後にパワーバンドに落とし込む目的だけで回している(ハイゼットのマニュアルは3速4速がクッソ離れてるんです)。

そういうのとは全然違う。どこからでも「おゥラ!!」って盛り上がってくれて、高回転でも回す楽しみが続く。

タンデムでこれだから、一人の時はもっとすごいんだろうな。ダートでぶん回したらどんな動きをしてくれるかな。

  

想像通り、楽しいエンジンでした。もちろん、100キロ巡航も快適にこなします。振動も少なく、パーキングに入ったとき手がピリピリすることもありません(690ENDURO比)。

 

期待していたカウルの威力も絶大。高速、ちょー楽。肩と頭に風が当たりますが、オフ車は体全部に風が当たるので、それに比べると無風みたいなモノ。涼しいところで走っていた時、風が当たらないのが物足りなく感じたほどです。

 

エンジン・カウルとも、ロングツアラーとして十二分に期待できる性能です。

 

 

 

 

山道

 

 

麦草峠は、佐久側は高速コーナーと規則正しいヘアピン、茅野側はトリッキーな複合コーナーがちょいちょいあり、別荘地に入るとかなり細かく不均等なコーナーが続き、全線にわたってツギハギだらけの路面という、ちょっと偏屈な道です。こういう道、軽いオフモタは得意なんですね。変な凹凸もサスペンションのストロークで吸収してくれるし。

 

平均的なオフモタより50キロ以上重く、トップケースにタンデムの重量級Tenere700はどうだったか。

 

のりまつのペースでは、690ENDUROと遜色なし、です。後ろに乗ってる奥さんもバイク乗りなので、コーナーに合わせて自然と体重移動してくれる。そのせいもあってかよく曲がる。リアヘビーでフロントが逃げるかと思っていたが、普通のオフ車ぐらいの逃げ方。そしてひらりひらりとよく切り返しができる。こんな特性もオフ車然としています。楽しいです。

 

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麦草峠、涼しい!

その後のビーナスラインも大パノラマを楽しみながらサンデードライバーの皆さんに合わせてのんびり走ります。690ENDUROがもっとも苦手とした「人に合わせてのんびり走る」。Tenere700は悠々とこなします。ちっともイライラしません。美ヶ原に登るヘアピン連続ルートも、止まりそうな先行車のペースにもめげません。

 

途中の富士見茶屋でブルーベリーソフト。山本小屋で名物の小さなチーズケーキとクリームチーズのスプレッドを買いました。この暑いのに、ナマモノ買ってだいじょーぶ?

へっへーん。大きなトップケースに、奥さんが保冷バッグを入れておいてくれたからだいじょーーぶ♪うーん、ぜいたくな余裕!

 

そして美ヶ原高原美術館から武石に落ちていく、ボコボコの舗装と細かいトリッキーなカーブの連続するルート。オフモタが最も得意とする舗装路かと思いますが、タンデムでもいつも通り楽しくギャップをいなしながら走ることができました。

 

オフ車だけどデカい。デカいけどやっぱりオフ車。オフ車しか乗れなくなったのりまつには、非常にしっくりくるマシンでした。

 

ちなみに美ヶ原高原美術館で、とうとう出会いました。同族Tenere700に!このツーリングで100台近くはバイクを見ただろうに、1台たりともまみえなかった。まだまだ少数派。セローみたいに溢れかえっちゃうのが嫌だから、のりまつとしては好ましい・・・けど、商業的にうまくいってほしいとも願う。

 

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とうとう出会いました!フレンドリーな方で、楽しかった♩

この方は赤白で、エンジンガードが同じヘプコ&ベッカー。ただしこの方は上のガードも付けています。

 

最後まで迷った赤白。やはりカッコイイ・・・しかしのりまつっぽさはやはり黒で正解だったかと思いました。赤白はスマートでかっこよすぎる。旧ザクがお似合いのガデムがゲルググに乗るようなもの(?)。

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ちょっとしか出てこないけど、かっこいいオヤジです。

この方は赤白のTenere700が似合うスマートな感じの人でした。以前はKDX220SRでダートを席巻していた猛者。裏腹に気さくで穏やかな感じの人で、初対面なのにお互い話が尽きない様相でした。すでにTenere700でダートを走ったそうですが「意外とイケますよ」との事。遠くから来ていたようなので、惜しみつつも見送りました。

 

またこの人と話していた、地元のNINJA乗りのひと。持っているマシンはオンロードのW800やVOLTYですが、万沢林道や真田町周辺の林道を走るとの事。話すことがどうもオフロード脳になっていると思ったら、ジムニー乗りなんだそう。今はKLX230に興味津々との事で、購入を強く強く勧めておきましたw

 

 

 

 

タンデム

 

 

Tenere700に期待したもの、タンデム性能。妻もバイクに乗りますが、それとは別にタンデムも楽しみたい人。なので初期からタンデム性能向上のカスタマイズをしてきました。具体的には

・タンデムシート(Y‘sギア)

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パッセンジャーコンフォートシート | ヤマハ発動機グループ ワイズギア

 

・2人分積載できて、ちょっと寄り掛かれるトップケース(GIVI TREKKER52L)

・それを付けるキャリアとベース(GIVI)


www.motostorm.it

の3点。シガーソケットも増設してあります。

 

タンデム時の走行については、例えば250のオフ車だとフンコロガシにでもなったみたいな気持ちになり、ケツは重いわ曲がらなくなるわ窮屈だわでまともに運転できたもんじゃないけど、Tenere 700は走っている最中ならほとんどソロと変わらない印象。シートの前後長があるせいか、密着しなくても余裕がありポジションもある程度自由に取れます。

 

乗っていた方の奥さんは、とても気持ちが楽だったそう。今まではどこかにしがみついていないと振り落とされそうで怖かったみたいですが、今は少しなら手放しもできるとの事。しっかり寄り掛かるわけではないけど、やはり背に支えがあるのは圧倒的安心感との事でした。

 

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背もたれではないけど、やはり安心感が違う。

ただ怖いのは、乗り込む時。先に乗り込んだ運転者は、ただでさえ足着きが悪い状態にプラス一人分の体重を支えなくてはいけないので、結構気合がいる。

信号で止まる時は、いつもの注意で充分かな。一人乗っていくらか沈む分、足つきはよくなりますけどね。

 

※「いつもの注意」とは

Tenere700など足着きの悪いバイクに乗っていて信号などで停車しようとするときは、何も考えずに停まって足を着こうとすると「アレ?!?!」と足が宙を切って立ちゴケしそうになることがあります。なので「停まるぞ、足を着くぞ」と普段から少しだけ意識する必要があります。

また必要に応じて

・足を着く側にお尻をずらしておく

・足を着きたい側と反対に、少しだけハンドルを切って停まる

・轍の中に停まる

などの態勢を取っておく必要があります。

 

 

そんなわけで、タンデム性能は期待通り。安定感・操作性・居住性とも文句なしでした。第1号作戦も、予想を上回る戦果を挙げ、その性能を楽しみつくすことができたのでした。

 

 

 

 

第2号作戦「密林の奥に湧出でる水源を探索せよ」

 

 

毎年真夏に行っている奥利根のダム群をめぐるツーリングで、これもタンデムで。第1号作戦同様楽しく走れました。

が、航続距離の長さに過度な期待を寄せ、ヒヤヒヤ取り越し苦労をしましたよ。

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コース図の上の方、尾瀬の山奥あたりで警告灯点滅!

まだ50キロぐらいはガソリンスタンドがない状況下で、燃料ゲージの最後のひとメモリ(1/6)が点滅。頭をよぎるのはKTM690ENDUROで福島の山奥でのガス欠。この時は警告灯がついて25キロ程度で完全にガス欠したのでした。

 

Tenere700は、これまで乗ってきてだいたいの燃費は把握してあり、それから計算してもまだまだ余裕のはずだけど、タンデムで山道走ってきたしな・・・でも日本車はKTMとは違ってアホみたいに多くリザーブがあるから、まさか25キロでガス欠なんてことは・・・などとモヤモヤ考えながら、超燃費走行します。

 

無事にスタンドに着くと、なんと4リットルも入りました。16リットル入るうちの4リットル。帰ってマニュアルを調べたら、4.3リットルで警告灯が着くんですと。ざっとみて警告灯が点いてから100キロは走るってことですね。さすが日本車。

 

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草木ダム右岸の休憩所。

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戦場ヶ原、三本松駐車場。

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奈良俣ダムを下から。タンデムシートで安定して座っています。

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奥利根4ダムの中ではマイナーな須田貝ダム

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奥利根のラスボス、矢木沢ダム。のダム湖堤体と一緒に撮れないんですよね。

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藤原ダム






こんなわけで、第2号作戦も新しい学びを得ながら無事に完遂することができたのでした。

 

 

 

 

次回、いよいよTenere700の真骨頂、オフロードミッションに挑みます。

 

土1号作戦「僚機と共に樹海を突破せよ」

 

君は生き延びることができるか

 

 

 

Tenere700、装備の拡充(装甲編2・ヘッドライトガード)

つかせのりこのおしゃべりは、ゴン太君の発しているウゴウゴを代弁しているんだと思っていた嵩屋天狗堂・番頭ののりまつでございます。今回、悩みぬいた末にのっぽさんになる道を取ったというお話をします。なおこの段での人名はNHKの教育番組「できるかな」に登場したキャラクターを引用しています。工作を頑張った、ということを伝えたかったからですw



オフ車なのに・・・


Tenere 700はオフ車です。メーカーもそう言ってはばからないし、そうだと思って買いました。なのに、車体前部の大部分を、高価なヘッドライトが占めている。これはスズキ・DJEBEL以来の暴挙です。オフロードって、石とか飛んでくるんですよ。それがね、ヘッドライトに当たったら無残なことになるかもしれないじゃないですか。なのにあんな大きくて高価なものを前に貼るなんて。冗談はスズキだけにしてもらいたいですw

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SUZUKI・DJEBEL(ジェベル))

ホントは気に入ってるんです。しかし割れるのも心配。実際に、同じYAMAHAのWR250Rでも割れる事案が発生している。あんな小さいのに。友人のYYさんや、その友人の方は使い古しのヘルメットのシールドをカバーにしてました。Tenere700にはもう少し「お上品な」アイテムが欲しいところ。

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WR250R。


Tenere700には、ちゃんと既製品のヘッドライトガードがあります。

EUの純正オプション
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EU YAMAHA ヘッドライトプロテクター TENERE700 19- | 株式会社SPIRALSPINNER

Puig
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【楽天市場】Puig プーチ ヘッドライトプロテクター TENERE 700:ウェビック 楽天市場店

POWER BRONZ
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https://www.powerbronze.co.uk/yamaha-tenere-700-19-20-440-y610.html

RC甲子園
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ヤマハ テレネ700 Terene700:RC甲子園 製品情報



上3つは脇のネジ穴で共締めにする形でいずれも16000円ぐらい。POWERBRONZEだけ6000円ぐらい。
一番下のは超強力マジックテープを貼り付けて装着する形で10000円ぐらい。

できればネジ止めの方が信頼できるな・・・でも、16000円、ちと高いっす。

アクリル板の貼っ付けりゃいんでしょ?できそじゃね?

ホームセンターでアクリル板、1枚2400円ぐらい。アクリル加工の方法をググってみると、曲線切りはしなくても大丈夫だし、なんとかできるかも。高いの買ってソッコー割れたら落ち込むけど、自作すれば知見が身に付くし、割れても低コストで再生産できる。失敗してもかすり傷で済むし、後学のためにやってみるか!でっきるかなでっきるかなサテサテホホー♪

ということで、3mmのアクリル板とアクリルカッター、アクリル用ドリルビットを購入しました。すべてホームセンターのアクリル板コーナーにありましたよ。品薄かと思いきや、意外と普通にありました。

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こんな形。左側の鋭角の部分で切り込みを入れます。
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1500円ぐらいかな。また使うかもしれないし。

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カット


大体の大きさを、現物に合わせて最小限の大きさの長方形に切り出します。もちろん、大きめに取りますよ。

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点線で切ります。現物は曲面だから大きめにね。

素人が素人工具でカットするのは直線で端から端まで切るしかありません。正確には「割る」と言った方がイイかも。

決めたポイントに定規を当てて、カッターを当て引くと、キュゥゥゥゥイッと音を立てて春雨状のカスを出して削ることができます。

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黒板を爪でひっかっくよりはマシな音。

この時、できるだけ切り口の深さが均等になるように、長く引くようにします。そして端は刃が浮いてしまいがちなので、念入りに傷つけます。

これを何度も繰り返し、3分の1ぐらいの深さまで削ります。

そして力をかけて折り曲げると「バギン!!」と折れます。意外と硬かったです。



曲げる


温めて、曲げます。電熱棒みたいのが専用工具であるそうなのですが、それを用意するほどの資金もないし使うこともない。
なので家庭用電熱装置、ドライヤーを投入!

すぐに現物に合わせられるよう、バイクの近くで温めます。幸い(?)外はすでに38度ぐらいに暖まっているし!
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熱風を吹き付ける事5分。わずかに柔らかくなってきたかもしれないけど・・・なんかうるさいし暑いし、飽きちゃった。

作戦変更!

ガスコンロで温めます。

鍋つかみで板を持ち、コンロから50センチぐらい離し、温め開始。真似をするときは自己責任で。

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端まで熱くなるので、鍋つかみ必須。それでも熱い。

5分ぐらいでだんだん表面の映り込みがゆがんでくると、潮時。イイ感じに柔らかくなっています。急いで外に出て、現物に押し付けます。そうすると、イイ感じにRがついて固まります。印象としては、ヘルメットのシールドより急なR。
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まあまあ上手くできました。

※のりまつはたまたま上手くいっただけかもしれないので、同様の方法を取る時は自己責任で。



成型


曲がった長方形の板を現物に合わせ、ライトレンズに合わせてカットします。
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4か所を切って6角形にしたかったのですが、小さいところがうまく割ることができず、あきらめました。線が残っちゃったけど、ご愛敬。ある程度の大きさがないと、うまく割ることができないようです。

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で、アシンメトリー(左右非対称)な形に切り出すことができました。今流行ってるんですよ、アシメが。BMW様だって、みんな非対称でしょ?
※完成されたデザインと素人の工作失敗を一緒にしてはいけません

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にゃんだにゃんだ?

穴あけ


またもや現物合わせで、穴の場所を決めます。多少ずれてもアクリルには柔軟性があるので大丈夫かな。あとは専用のドリルビットで開けるだけです。表面が滑りやすいので、そこだけ注意。

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こんな形です。先が鋭いので穴開け位置から滑らず、思ったところに穴を開けられます。

固定


元々止めてあったネジと同じサイズの5Mのネジを購入。3mmのアクリル板と10mmのスペーサーをかませるのとワッシャー類の厚さを勘案して、長めのモノを選びます。

順番はこんな感じ。
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ちなみに上2つは、がらくた箱に入っていた謎のスペーサー兼ワッシャーがあったので、そのまま使いました。

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前から、左側。
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横から。

これでまあまあしっかりつきました。


電動ドリルに付けるキノコ型のヤスリで角を面取りし、嵩屋天狗堂のステッカーを貼って、完成です。

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ちょっとデカすぎたかな。コロナ大流行の今っぽい見た目になっちゃいました。「お上品な」とはほど遠い




しかしこれで、95パーセント装甲が揃い、すべての作戦に投入できる準備が整いました。

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お山が呼んでいるぜ!


装備拡充シリーズは今回で終了。次回、いよいよTenere700の就役!素人の感想文をお送りしたいと思います。

Tenere700、装備の拡充(装甲編1・エンジンガード)

工事もまた楽しきかな、嵩屋天狗堂・番頭ののりまつでございます。装備拡充シリーズの装甲編その1、エンジンガードについてのお話です。

 

 

 

 

導入の経緯

 

 

ずばり、足つきの悪さにビビったからです!

 

シート高875mm。

 

オフ車に乗る者なら驚くような数字ではありません。セローやシェルパなどのモデル以外は、ほとんど870mm以上あるのが普通ですから。だから、完全にノーマークだったのです。

www.tomobataraki-off-rider.com

(中にはオフ車と呼んではかわいそうな車種も入ってますね)

 

しかし実際に跨ってみて、明らかに足つきが悪く、やっと着いた足にかかる荷重がやたらと重い。

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足つきの悪さと重さにビビるのりまつ。

これが、コケて足に乗っかってきたら・・・そう思ったらおっかなくなっちまったんです。

 

今回選んだのはコレ。

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www.parts-accessory.jp

 あんまり目立つのはイヤだったんです。なので、デザインがエンジンの周りで完結していて、なおかつ頑丈そうなのが選定理由。

 

HEPCO&BECKER社といえば、かつての同胞独逸帝国を本拠とする企業。かの社の生産物となれば、おのずと信頼感も高まろうというもの。のりまつに色々な富をもたらしてくれたMP姐さんも装着したというので、縁起もいいですよ。

 

パイツマイヤーカンパニーというサイトで取り扱っており、ここで注文しました。やはり1か月程度待ち、僕のお家にやってきました。重さは大体3.5キロぐらい。思ったより重くないかな。

 

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開封の儀。

 

 

 

 

装着

  

マニュアルに沿って作業します。ふんふん、びーひてんじーでぃーいーれむらんと・・・ドイツ語・・・わかるかーい!読み方だけはなんとなくわかるんですよ、学校で教わったから。

 

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大丈夫、英語でも書いてるし、絵でもわかります。でも、スペーサーの厚みが絵だけだと微妙なので、よーく観察されたし。

 

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この3カ所を外しました。

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フロント側のシュラウドはちょっと変わったビスで止まってます。一見普通のトルクスネジですが・・・

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外すと半周ぐらいでポロッと取れます。中身はプッシュリベットと同じ構造ですね。

 今回はカウルを緩めて作業してみましたが、板ラチェット#13があれば緩めなくても作業できるかも。

純正のネジを外し、付属のネジを着けますが、この時点ではもちろん仮止め、です。

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緩み止めが効いていて、ラチェットがないと厳しいです。

 

 

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下側の取り付け部。

右側は板状のステーの奥にマフラー、左側は同様にオイルパンがあります。

 どのネジも緩み止めが塗ってあるようで、ラチェットを使わないと緩めるのが難しいです。

 

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左右の結合部。樹脂製の固いカラーを挟み、ボルトで連結します。

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固いです。プラハンでゴンゴンぶち込みました。

すべてのボルトが穴を通ったら、すべてを本締めします。一応トルク管理表がついていました。

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本締めが終わったら・・・

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目立たなくてよし!

出来上がり。うん、かっこいいじゃないですか。よく似合ってる。

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寄ってみる。

 

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このぐらいの出っ張りで、どのぐらい足を守ってくれるかな・・・ないよりは全然いいと思う!

 

 

  

 

インプレッション 

 

足は、しっかり守ってくれます。ホント、転倒すると下になった足に必ず重いもの(車体)がのしかかってくるのですが、拍子抜けするぐらい何にも乗っかってこない。すばらしい防御力です。ただ、致命的な欠陥が・・・・それはまた後日!

 

 

 

 

次回、装備拡充・装甲編その2に続きます!