SSTR2020、やっと、やっと!
秋の夕日に照る嵩屋天狗堂・番頭ののりまつでございます。色々あって秋の開催となったSSTRを楽しみにしている、しがねえバイク乗りの話をします。
ビールみたいな名前のにっくきアイツとSSTR
例年だと5月に開催されているイベントですが、例のあいつのせいで延期となっておりました。しかし運営さん、病気と経済のバランスや国民感情をやりくりし、10月から形を変えて開催してくれる運びとなりました。お疲れ様です。
10月「から」というのは、例年のように1日だけをイベント日とするのではなく、10月1日から来年の3月31日までの間のどこかで自分のSSTR日を決めて、その日にルールにのっとってゴールすればよい、という形のオープン開催になりました。ただし、元の開催日であった10月24日は設定不可。密を避けるための配慮ですね。現時点で越県は良いとされているし、最小限の落としどころかな、と思います。賛否両論あるようですが、よく考えてくれました。
ちなみにSSTRのルールとは。
スタート地点:太平洋側の海岸線のどこか好きな場所。瀬戸内海やオホーツク海なども可。これは公式サイトに詳細の取り決めが記載されています。
制限時間:日没。
その他:決められた「指定道の駅」でチェックインする事。
朝迎えた日の出を、日本の反対側で見送るのです。ちょっとした太陽へのリスペクトかもしれません。
MySSTR2020
今年のルールにのっとって定めた自分のSSTRを、公式では「MySSTR」と呼んでいます。のりまつのMySSTRは、と。
いつも一緒にツーリングしているオフロード仲間がいます。4年前ぐらいから、皆でSSTRに参加するようになっていまして、それぞれの場所からスタートし、千里浜で完走の喜びを分かち合うのが楽しみとなっておりました。
開催方法が変わった今年も、みんなで予定を合わせて参加することにしました。一人でも楽しいけど、やっぱ仲間が待っていると思うとワクワク感が違います。これがのりまつのMySSTR。Dデイは10月17日!
ヒ206号作戦
今年はいろいろ違う。まず、投入する機体は最新鋭の長距離戦略機Tenere700。これまでのKTM690ENDUROより出力が高く空力も優れているため高高度での運用が得意となる反面、不整地では若干不利となる。また転倒時のリカバリーやパンク時の修繕など、不測の事態の対応がより困難で煩雑になる。
また10月ともなれば、日の出から日の入りまでの時間が例年の5月に比べ3時間ほど短くなる。スタートルールは変わらないので、巡航速度を上げるか作戦距離を短くする必要がある。
さらに悪い事に、季節が収穫の秋であるという事。道々に「きのこ」「りんご」「新米」「新そば」などと言った危険なトラップが仕掛けられていることは想像に難くなく、その種類も枚挙にいとまがない。これらを食破もしくは買破しながらの行軍となるため、遅延とならぬよう細心の注意を払っていく必要があるが、おいしさのあまり時間を忘れてしまう危険性が高い。本作戦が非常に困難であると言われる所以はここにある。
しかし悪い事(?)ばかりではない。
海から登る太陽を拝むには、東に面した海岸をスタートとする必要があった。東と言っても、例えば三浦半島は房総半島があるため海からの日の出とはならない。
しかし今回の場合、日が短くなる分、日の出の位置がだいぶ南にオフセットされるため、選択肢が増える。
これらを踏まえ、ルートを作成。
まず、巡航速度を上げる為には高速道路を使用するのがよいが、それでは本作戦の意義が薄れてしまう。そのため、作戦距離を短くする方法を取る。
ゴールまでの距離が短くかつ、5月ではありえない海からの日の出を拝める場所で絞っていくと、遠州灘が浮上してくる。
日の出サーチとグーグルマップですり合わせ、展望のよさそうな場所を探索・・・
ここから中山道の思い出深い地と、広重の描いた甚平坂を通り、裏木曽街道を抜け、飛騨一ノ宮を参り、その後は時間の猶予を見て高速と下道を使い分け千里浜を目指すルート。ちなみに今回は、機体の運用の習熟度の低さと整備性の問題から、不整地は除外する。
これならよい戦果が期待できそうである。あわよくば、道の駅サンセットパーク内灘で超高級ソフト「クレミア」を食したいものだ。どこでも売ってるけど。
色々あるけど
半分あきらめかけていたSSTR2020。能登の自治体の関係者や運営さんたちは、大変ご苦労されたと思いますすし、すべての人が歓迎しているわけではないのでしょう。その辺は心にわきまえつつも、今年だけの変則SSTRを楽しみたいと思います。