泥んこ王に、オレはなる!~泥んこ走行会参戦記~
のりまつ史上初のオフロードバイクのレースに参加してきました。カテゴリーとしては「エンデューロ」に該当すると思われます。
http://hpo-japan.com/2017doronkoregulation.pdf
参加台数は100台、1台に複数人のエントリーがあるので、人数で言ったら200に迫る数でしょう。この中でのクラス分けがあります。大まかに
A:250cc超で排気量制限なし
B:125ccぐらい~250cc
C:50~110cc
ビンテージ:1980年以前の2本サス
レディース:女性のみのチーム
ファン:スクーター・ロードバイクなどおよそオフロード走行に向かない車両
私達「チーム旭龍」はBクラス。ライバルはCRF150(レーサー)、KDX200(2st)、XR250などなど。同じクラスか、これ?って感じで絶対不利です。まあ、遊びだしいいんですけど(笑)
今回お誘いいただいたTロさんは、お仲間とビンテージクラスに参戦。マシンは古い2st「MT50」。
Tロさんいわく「始めのギャップで手首を捻挫する」ほどのサスペンションらしい。あっという間に底突きしちゃうみたいです。
スタート前
さてここでチームメイトのYYさんと作戦会議・・・というか、「どっちが先に走る?」という相談しただけ。スタートの緊張感を味わいたいということで、のりまつが先行となりました。なにぶん体力に自信がなく、ヘロヘロ状態で無理すると怪我するので2,3周で交代かなーなんて話をしておきました。
コースは1周4キロほど。川原のコースですが意外とアップダウンがあり、サンドセクションもあるとか。毎度のハイライトであるらしき「沼」は、今回は乾いていて単なるステアケース(大きめな段差)になっているとの事。ホッとしたような残念なような。
スタートは、エントリー順につけられたゼッケン番号順。「チーム旭龍」は24番でした。
草を刈り分けて作られた、いわゆるホームストレート的な場所に順にバイクを並べます。
そしてルマン式スタート・・・つまりドライバーは別のスタートラインに並び、スタートの合図とともにダッシュして乗り込みエンジンをかけ走り始める、といった方法。
しかし・・・スペースが狭すぎてライダーのスタート場所が見当たらない・・・狭いホームストレートの周囲は2メートルほどの草が伸び放題。どうすんのこれ?
と思ったら、北側の草薮の向こうにまた草を刈り分けた場所があり、そこがライダーのスタート場所との事。スタートの合図とともに高さ2メートルほどの草薮を蹴り分けながらマシンのところまで行き、スタートする・・・という事。
そんなのみんな嫌なので、みんなで協力して草薮の中に道を作り始めました。
草レースって、そういう意味??いろんな意味で、草なレースですwww
しかしのりまつにとっては初めてのレース。緊張しないわけがありません。今朝も緊張のあまりお腹を痛くして、集合時間に遅れてしまったのでした。
スタート前
↑↑緊張のあまり雲竜型を取るのりまつ
スタート!!
ふざけてたらもうすぐスタート。日章旗が振り下ろされたらスタート・・・のはずが、隊列が長すぎて見えない。見える場所にいたTロさんが合図を出してくれたので、それを見てダッシュ!
バイクに跨りエンジンスタート!いいぞ、セルモーター!楽で早くて確実!かっこよさを犠牲にしているだけの事はある!
路面のコンディションは固く乾いた感じ。たくさんのマシンがホコリを巻き上げ、路面が見えない!慣熟走行などというのもは一切なかったので、前を走るマシンにとりあえず追随してみましたが・・・良く見るとTロさんのお仲間のEもさん?ベテランMXファイターでもあるEもさんについていけるならラッキー!マシンの差でついていくことは難しくないし。
順調についていき、ようやく隊列もバラけて視界が確保した頃、何の変哲もない右コーナーでバランスを崩し転倒!まだ半周もしてないのに。
気を取り直して再スタート。ずいぶん後れを取ってしまった。
1周目は何故だかショートカットルートでサンドはなし。沼のステアケースも難なく乗り越えました。
ここはギャラリーポイントでもあり、Tロさん、YYさん、同行してくれているびわみかんさんが大きな声で応援してくれました。応援って、不思議と本当に元気出るんですね。嬉しいモノですねえ。
こうして無事に1周目を走りきって2周目突入。ホームストレートでまた先ほどの3人が応援をくれます。「いいぞ!のりまつ!」って、普段はさん付けなのに呼び捨てで応援されて、スゴイぐっと来ました。少し年上で面倒見がよくて、お兄ちゃんみたいな人たちです。あなたたちのためなら、のりまつは妹にでもなりますぞ!!
2周目にはいよいよサンドセクションがあります。砂地は初めてではないですが、いざ飛び込むと前に進まない!勢いが消えてしまうと完全に停止。しかしこんなところでいつまでもハマッてしているわけにいかない。シートの後端に座り後輪を路面に押し付けながら、両足で前にこぎます。シートの低いKLXだからできる技です・・・がオフ車でこんなことしてる人は居ませんでした。どうしたらよかったんでしょう(^^;
そんなこんなで4周・45分ほど走った後、YYさんに交代。セーブしながらとはいえ、意外と走れるモンでした。でも、やっぱりヘロヘロ。三半器官が軽くドランク状態に。順位の事はまったく気にしていません、のりまつ。
YYさんはサクサクスイスイ、労力を使わずスマートにスライドを駆使しながら走っています。さすが、歴戦の勇士です。
古傷の膝の心配もあったとの事なので、もう1回ぐらい交代があるかと思いましたが、そのまま午前中のチェッカーフラッグをYYさんが受けました。
ランチターイム♪♪
昼食は、Tロさん夫妻手作りのモッツァレラチーズ入りのマッシュポテトとチキンの照り焼きを、その場でパンに挟んでいただくという贅沢メニュー。チーズの香りが良くなじみ旨ーい!向かい陣地にいたオフロードの哲人・Mズーさんの一味から肉の差し入れも!
お湯とカップラーメン(小)だけでとんだわらしべ長者なランチとなりました。
さて午後の部は。
着順にスターティンググリッドが決まるのですが、わがチーム旭龍は・・・おお!4番グリッド?!ふーむ、気づかぬうちにこんなに順位を上げていたのか。これも練りに練った戦略のなせる業か。
と思ったら、単純に午前のチェッカー後の着順でした。おめでたいことです。YYさんはもちろん解ってましたけど、1人で浮かれちゃいました(///▽///)
午後の部スタート!
午後の走行は、1回交代と決めました。で、YYさんがTロさんとバトる為に後半を希望。のりまつはまたもや先行する事になりました。今度は1時間、しっかり走ってみよう。
ペース配分に気をつけながら、今度はハイドレーションも積極的に使ってみる。
走り出してからしばらく経ち、比較的まっすぐな場所で、なんとか飲み口をくわえようと試みるも、ヘルメットのチンガードと顔の隙間が狭くてなかなか口元に吸い口を持って来れない!意外とでかいんですよね、吸い口。
しかし何とかくわえることが出来ましたが、今度は水が少ししか出てこない!どこかでねじれてるのかな・・・それが気になって走行に集中できず。その後も出たり出なかったりしながらも何とか水分は確保できたので、気を取り直して走行に集中します。口元の広く開いたシールドのないメットが必要かな・・・などと、また散財のフラグが立ったりして(^^;
路面の状況は刻々と変わるのがエンデューロ。ショートカットルートが出現していたり、ヌタ場が広がっていたり。サンドセクション周辺も、水の近くを通ることで走りやすくなる反面、ヌタヌタになってました。またサンドセクションの先に1箇所だけ、タイヤに彫られた中からヌタった土が顔を出し、午前中より走りにくくなった場所がありました。
この場所を警戒しながら走っていたのに、なんとその入り口で転倒。後続を止めちゃいました。・・・が、今はレース中。後続はいつまでも待っちゃいません。細い細い脇の隙間を抜けて、泥をこちらに飛ばしながらどんどん先に行きます。この屈辱・・・ハラサデオクベキカ・・・!!
と思ったら、その先の急登の上で止まっている2stが、必死にキックしているのを発見。・・・もちろん、待ちません!脇の、細ーい隙間から、スパッと抜いてやりました。
「絶頂すら覚える」
まではいきませんが、楽しいかも♪
やる気ないの?!
体力セーブの為に心がけたコト。
・できるだけギャップが少ないルートを取る
・どうしても跳んじゃう所ではゆっくり行く
・追い越しは無理せず、余裕のある時に
・後に付かれても完全に無視してマイペース
・・・なんか交通標語みたいになってきましたが、まあ、心がけってだけの話で走っちまえばそんなモンは吹っ飛んじゃうんですけどね。テンションアゲ過ぎないようにだけは気をつけましたが。
ただ、そのせいか走りが地味(^^;やる気ない人みたい。
びわみかんさんがのりまつを取った動画を見せてくれました。なんか、やる気ナシ男な走り方。レースというか、ツーリング?いや草刈作業中って感じ。本人はセーブしながらも一生懸命走っているのですが。
コレを見た後YYさんの走りを見ると、スムーズでスマート。決してガツガツしている感じもしないのですが、快調なペースで切れ目なくスピーディ。こんな風に力を抜いてさくさく走れれば、疲れず速く走れるのでしょう。YYさんはかなりのキャリアを持っているので、その積み重ねのもたらした財産、ということでしょうね。
上のYYさんの走りに比べて地味~
Tロさんなんかこう!
カッコいい!!
とりあえず走り切った!
そんなこんなでどうにか1時間と10分ぐらいを走りきり、YYさんと交代。この時点でもう、やりきった感でいっぱい!
汚すぎておもしろいので顔出ししちゃう。
悪いことに交代スペースの目の前に売店が!「ビールもあるよ」っていうので、びわみかんさんに立て替えてもらって、アサヒスーパードライをホコリで乾ききった体に注入!!
旨すぎて卒倒するかと思いました。
俄然元気が出てきました。今ならKTMのEXCにも勝てる気がするぅ!!(ムリ)
注入してから、YYさんが膝ビッコ引いて帰ってきたらどうしよう・・・なんて頭をよぎりましたけど(^^;
そういえばTロさんとバトルするっていってたけど、どうしたかな。
気にしてみていると、ひときわ甲高い2stサウンドがチェックポイントに近づいてくる。Tロさん駆るMT50です。チェックを受け再スタート・・・あれ?エンスト。さすがビンテージ。キックするもなかなか掛からず、後続に抜かれていってしまいます。
その後続の中に・・・きた!ゼッケン24、旭龍を駆るYYさんが!そしてこのタイミングでTロさんのMTが息を吹き返した?!まるで待っていたかのよう、出来すぎたドラマですよコレは!
Tロさんがわずかに先を行き、YYさんがそれを追う展開に・・・手に汗握る展開、どちらが前を取るのか?!
どちらも歴戦の猛者、マシンの差でYYさんが遠からず前に出ることは想像に難くありません。
が、前に出たYYさん、やかましいMTの排気音を使ったTロさんの心理作戦に翻弄されたとか。剣を恃みに驀進する戦士が、老獪な魔法使いの間接攻撃魔法に悩まされるといった展開!さすが両者とも一廉の変態、簡単に勝負は付かなかったようです。
祭りの終わり
そんなデッドヒートも16:30のチェッカフラッグで終了、ノーサイド!2時間×2回、ホコリにまみれ共に駆けたライバル達が凱旋してくるのをハイタッチで迎えます。
この後表彰式。
のりまつ、一杯呑ったで賞で1等賞!
ウソです。
「チーム旭龍」はYYさんの活躍で総合で21位、クラスBでは14位/40台でした。そしてなんと、Tロさんのチームはホントのホントに1等賞(ビンテージクラス)。
総合21位。なかなか大したモンじゃないですか?!のりまつが抜かされYYさんが抜き返すようなレース展開でこの順位。のりまつのポテンシャルがアップすれば伸び代ありますよ、これは!
見覚えのあるアイツが・・・!
今回競ったマシンの中に、690エンデューロと思しき機体がありました。顔が違うのでピンと来ませんでしたが、そのほかは見慣れた機体。彼はAクラスで優勝していました・・・と言っても参加車が彼だけ。
「あ、このKTMのポスター、見たことある!」そんな感じ。
総合順位こそ我々の一つ下でしたが、この走り!かっこよすぎる!!
彼は1人で4時間を完走しています。ストレートのほとんどない細かいS字が連続するようなセクションもあり、あそこを切れ角が少なくて重い690EDで走るのは、さぞかしキツかっただろうと思われますが、大した物です。あのコースをEDタイヤ履いた690EDで・・・ちょっと走ってみたい気がしました。
感想文
バイクでレース、初めての体験でした。普通にサーキット走ったりコース走ったりする時と大きく違うのは、やはり「競る」モノであること。軽自動車耐久の時もそうでしたが、普段では考えられないぐらい他車に接近して、サイド・バイ・サイドのデッドヒートを繰り広げてしまうんですね。争いが苦手なのりまつでさえ、競り始めれば熱くなります。こんなところがレースの楽しみなのかと感じました。そういえば、まだソロでレース走ったことないな・・・
で、エンデューロというものに対しては、予想通り面白かった!普段のツーリングではわざわざ行かないような難所も、踏み込むのを躊躇してしまうような場所も、レースなら流れで突っ込んでいってしまい、そしてなんとかクリアしてしまう。そして多くのマシンが周回を重ね、土を削ることよって易しくなるセクションや、逆に難しくなるセクションがあったりして、まさにコースが生きているような感じ。
レースはとても楽しかったけど・・・後始末が大変(^^;特にこの日はカラカラに乾いていて、ホコリがスゴイ!あそこに持ち込んだ物すべて隅々まで、ホコリをかぶっていないものはありませんでした。帰ってから、バラせる物はバラして洗濯できる物は洗濯、できないものは浴槽でジャブジャブホコリ落としに四苦八苦しました。ま、回数を重ねればそんなこといちいち気にしなくなるんでしょうけど。
次は9月!真・旭龍でモトクロスに出るよ!
追記!
TロさんとYYさんの動画も貼らせていただきます!やはり動画だと雰囲気が伝わりやすいですね!
Tロさん編集
youtu.be
YYさん編集
youtu.be