嵩屋天狗堂~はてな支店~

オフロードバイクアリマス。

首途を祝う遠州の名月~SSTR・前夜編~

SSTR出発前日。

 

今日中に出発地である御前崎の近くに前乗りしなくてはいけない。しかし仕事柄、連休を取るのが怖い・・・そんなわけで半日だけ仕事しておきます。急な案件が飛び込んでこないことを祈りつつ、なんとか半日をやり過ごす。いや、ちゃんと仕事しましたよ(^^;


仕事の帳尻を合わせ退勤、自宅に戻ってお昼ごはんを作って食べる。スパゲッティ・ポモドーロ・ノリマッツァッレ。
この後2,3日練習できなくなるのでギターの練習をしておく。レクエドス・デ・ラ・アルハンブラ
トイレと玄関の掃除。
オフブーツとジャケットに防水スプレー。
その他もろもろ準備してたら、14時回ってしまう。あわよくば下道で御殿場あたりまで行こうかと思っていたが、そんな余裕もなくなってしまった。人麻呂に装備一式を詰め込んで、いざ出発!とまたがったのが15時。


関越道~高坂SAで休憩~鶴ヶ島JCT圏央道~海老名JCT~東名道。途中の足柄SAで給油。だいたいこの辺でSSTR参加者と会ってもいい頃なんだけど、高坂でもここでも見ない・・・

 

御殿場を過ぎて沼津に差し掛かる頃、すでに暗くなった東の空の真ん中辺がうっすら明るく。気にしているとふわっと現れた朧月!確か今日は満月ですよ!明日からの旅を祝福されている気分ですなー♪

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東名道を相良牧之原ICで降りる。接続するバイパス道は、なぜか対向車が無く街灯もまばら。月明かりが周りに森がある事を照らし出している。暗くて高い空に月が一つ、森に囲まれた快走路は自分と人麻呂だけ。ついつい詩的になっちゃうほど気持ちのいい道のりでした。


珍しく気持ちのいいナイトツーリングを楽しんだ後、今夜の宿「海岸通り」に着きます。

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が、カウンターに人は無し。


宿の前で営業していた海鮮料理屋の方に回るよう絵図で示されていた。料理屋は嫁さん、宿は姑さんが取り仕切っている様子で愛想も何もないが、素泊まり4000円、まあいっか。ちなみにここの「素泊まり」とは、タオルも付かないらしく、300円でレンタルする羽目に。食事も、下調べでは近くに中華屋があったはずだが、閉まっていたので女将さんに相談。すぐ食べるなら前の店で出してくれるとの事。色々ままならないながらも、ビールと刺身定食、調子に乗ってひや酒1合頂きました。

 


部屋に帰り窓を開けると、月明かりが射し込む。影だけ映し出された松林の向こうは、すぐ海。波の音と月の光で、意外とサイコーなロケーション♪

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さっきひや酒を飲んでた時に、ふと道のりが不安になったので、小さなメモ帳に明日通る道の番号だけ書き出しておきました。ナビだけに頼ってると、すぐ電池終わっちゃいますからね。

 


早めに床に着く・・・が、気が昂ぶって眠れない!明日、寝坊したら・・・道間違えたら・・・ガス欠かましたら・・・パンクしたら・・・日没に間に合わなかったら・・・そんなことがとめどなく頭をめぐります。眠れない夜は特に負の感情を増幅する事は、昔やってた夜勤の時に体験済み。しかしなんとかこれらを飼いならして、浅い眠りに着くことができたようでした。

 

 

次号「青ざめた暁と紅の焦燥~SSTR本番・前編~」へつづく。

 

 

旅支度~SSTR・準備編~

去る9月17日、SSTRというイベントに参加してきました。

www.sstr.jp.net

私にとってのSSTRというものを先日挙げました↓↓
norimaz.hatenablog.com

でもSSTRって、太平洋沿岸スタートじゃないですか。私の住む風の庄は埼玉県北部。ヘタすりゃ東京越えて太平洋行くより、新潟行くほうが近い。そんなわけで「太平洋側を日の出に出発」これの達成自体がすでにツーリングラリーで、いずれにせよ前泊が必要なんです。しかし前日から休みを取る覚悟さえできてしまえば、どこをスタートに設定しても自由なわけです。内陸に住んでいる者は、太平洋近くの人より1日多く旅が楽しめる。うん、前向き♪



出発地の設定

関東から羽咋市を目指すと、日本の1番太いところを通ります。どこを通るかよりどりみどり!と言いたいところですが、実は効率を考えるとたった2カ所。すなわち「安房峠」と「糸魚川」のみ。あとは3000メートル級の山々と、日本人の自然に対する自粛(「一般車通行禁止」「マイカー規制」みたいなの)が道を塞ぎます。
安房峠は去年通ったし、今年はシルバーウィークで混雑が予測される。糸魚川は帰りに通るから避けたい。

ちょいとここでひと思案・・・

・もとより前泊予定なんだし、関東発はヤメ!
・今年の相棒は水陸両用ならぬオンオフ両用機。ルートにダートを入れ込みたい。
・しかし去年より制限時間が2時間も短い。

こうした理由から、比較的直線距離の短い静岡県内発を目論みます。ダートもあるし、イイかも♪


そんなわけで私が選んだのは静岡県の御前崎。東に向かってとんがってて、日の出を迎えるには持って来いです。ストリートビューで日の出の拝みやすいポイントがあるか確認、ありますあります、ナイスな駐車場が♪

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よし、ここに決定!日の出が楽しみ♪前泊の宿も早々に予約しておきました。



物の準備

天気予報は芳しくなく、少なくとも半分ぐらいは降られる予定。なので。


・防水ウェストバッグ

財布とか、手帳とか、免許とか。大雨対策にジップロック(L)も同封。



・防水ヒップバッグ

これはいつも携帯しているモノ。タイヤチューブとか、ヘッドランプとか、三角巾とか、690ENDUROのマニュアルとか。雨の強くなった時はシート前部に着けてあるツールロールも仕舞い込める。



・防水リュック

2泊分の着替えを圧縮袋に入れて、省スペース&防水。朱印帳もここに封入。



・普通のシートバッグ

一応レインカバーが着いているけど、大雨では浸水する事が確認済み。濡れても大丈夫な洗面道具やサンダル、チェーンロック、新調した合羽・ブーツカバーを積載。


シートバッグ以外は体に着いています。立っていると重いの何の!しかし、シートに座っちゃえばヒップバッグがリュックを持ち上げてくれるので、重さは全く感じないのです。なぜ体に着けるのかというと、ひとえにダート走行の為!体に荷物をつけた状態なら、重心を操れる、というわけなんです。スタンディングすればステップに重心が集中するし、前座り後座りである程度コントロールができる。先輩旅人のWたるさんも、この理屈で大荷物を背負ってました。



宿泊

ここでいう宿泊は、SSTRゴール後の宿泊。参加を表明している仲間のうち二人はキャンプ予定。ワタシは荷物が大変なのと、祝杯を皆で上げたいので、宿の予定。実は去年一人で参加した時、宿泊は一人寂しく温泉宿にしたのですが、翌日MPさんというお仲間がセレモニーで声をかけてくれて、おかげでSSTRの充実度が倍増したのです。なので今年こそは、MPさんやお仲間とともに完走の夜を祝いたい!そんな趣旨でMPさんと話をしていたら、観光協会とどんどん話を進めてくれて、宿の手配は完璧な状態に。仕事が速い、MP姐さん!


www.ekiten.jp


・・・そんなわけで宿泊の心配は無くなったのですが・・・悔やんでも悔やみきれない出来事が。

それはMPさんが、のっぴきならない事情でSSTR不参加に!!この知らせを聞いた仲間達、とりわけSSTRには参加はしないけどMPさんと旧交を温めたくゴールで待ち伏せする予定だった人達は相次いでキャンセルに。同泊の人が減ることもそうですが、MPさんに会えなくなってしまったことが残念、しかしそれよりなによりMPさん自身がどんなに悔しい思いをされたかを慮ると、やるせなくなります。

かくなる上は、MPさんの分も楽しむのだ。SSTRにまつわる良いも悪いも楽しみ尽してやる。



番外編


ヘルメット。

オフ用とオン用を持っていますが、今回はロングダートも走る予定なのでオフ用で!オン用は口元が狭くて息苦しいんですよ。しかし高速も走るんだよな・・・風にあおられるんだよ、バイザーが!ってなわけで

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こうなりました。元はARAIのツアークロス3ですが、バイザーを取っ払ちまったんですね。一応「ターミネーター仕様」ってな物らしいのですが、ホントはシールドを保持する何かが必要らしい。でもこのままでも大丈夫そう。そもそもオフメットって何でバイザーが着いてるんでしょうね・・・?必要を感じたことがない気が(^^; でもだからと言って、無いとすっげー不満ですけど。何故って、あったほうがカッコいいじゃないですか!


おそうじ。

長旅の前にはお掃除しておきます。無事に帰れるかわからないし、出発前のお清めという意味もあります。特にトイレと玄関はきれいにしておきます。


林道の下調べ。

オフライダーならわかると思いますが、舗装・ダートに係らず林道はナマモノ。路面の状況が変わって、フラットなはずがガレガレになってたり、通行止めになっていたり。ツーリングマップルでは1本道の様でも実は分岐だらけだったり・・・
今回通る予定の「中腹林道」もその一つ。ログ付きの有用な情報があったので、それを参考に簡易版コマ地図を作っておきました。
このほか、目的地に着く為のショートカットルートの林道が生きてるかも確認・・・すると「ブナオ峠」が完全なる廃道であることがわかり、再設定を余儀なくされた、なんてこともありました。



どんなに準備をしても、「これでよし」と思えることがありません。しかし荷物には限界があり、過ぎた荷物は足かせにもなりトラブルの種にもなる。そんなやりくりも醍醐味と心得ながら、


いざSSTRへ。




次回、「首途を祝う遠州の名月~SSTR・前夜編~」へつづく。

神様の楽器に出会った日

SSTRの報告は、ただいま鋭意制作中です(^^;


さておき


去る9月25日、「生きてるウチに叶えたい!」と思っていたひとつの念願が叶いました。大げさですが(^_^;)

マツダが昔、ルマンに参戦し優勝したのですが、その時の優勝マシンがこれ。

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マツダ 787B 55号車

ミカン色にかわいいステッチ模様の入ったレナウンカラーなのですが、レースに詳しくないのりまつでも、このカラーを見ただけでグッとくるモノがあります。

コイツにはマツダの誇るロータリーエンジンが積んであります。
最近ではRX-8に積まれていましたが、ほとんどは2ローター。レシプロエンジンで言えば2気筒みたいなモンですかね。ただ、1ローターがレシプロエンジン1気筒の3倍働く。理屈としたら2ストみたいな働き方かも知れません。コンパクトなのにハイパワー。
このロータリーエンジン、787Bのはなんと4ローター。見た目もスペックも華々しく、市販車の形をしていないレーシングカーの中では最高にカッコいいと思っています。

この787B、おかしな別名があります。



「神様の楽器」。


は?車でしょ?楽器?うっそー(;゚д゚)・・・って言いたくなります。
しかしロータリーエンジンと言うのは、その性能もさることながら、音の良さにも魅力があるといわれております。
特にパワーアップが施されたロータリーの音は、嫌いな人は騒音公害、好きな人は煽情的な音楽となります。しつこいようですが、2ストっぽいアゲアゲ感。


そんなわけでこの楽器に興味がつきなく、YouTubeで探してみたところ。

↓これの30秒から後ですね。
www.youtube.com


・・・絶句しました。YouTubeでさえこの感動。その感動を言うに事欠いて「神様の楽器」などと表現してしまったのでしょう。
そしてこの動画を見てから「こいつは生きてるウチに生で聴いておかねばならん」と強く思ったのでした。

渡りに船!


とある夏の日、ルノワール展を見た後ぎろっぽん辺りをうろついてたら、マツダが何かのプロモーションをやっていたのですが、そこで配布されていたパンフレットの中に、富士スピードウェイで何かのイベントを開催するとの情報があったのです。そしてなんと、787Bのデモランもあり!万難を排しても駆けつけなければ!


そんなわけで、ようやく憧れの787Bにまみえる事ができたって話です。実物は写真よりカッコいい!



以下、787Bの写真集( ´艸`)



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後ろに長ーく延びた羽。カッコつけでなく、緻密な計算に裏付けられた必然のデザイン。こういうモノこそがホントの「カッコいい」だと思う!洗練された技術や機能から、必然的に産み出されたカタチ!



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グラマーなお尻。女性も車もバイクも、お尻の形には意味があり、どれも素晴らしい!



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横から見ると、ビックリするほど寸詰まり(^_^;)もう一つの私の憧れ「ランチアストラトス」もそう。こんな感じ、大好きです。ちなみに手前のも787Bで18号車。カラーリングそのものはこっちの方がカッコいいかも。



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コクピット。男の仕事場です。私のデスクと同じ。・・・違いますね、はい(^_^;)



そして、始動!あまりの音量に音が割れてます(^_^;)ヘッドフォンで聴くと少しはいいかも。
www.youtube.com




フォーメーションラップを終えて2周目・・・来た!
www.youtube.com




・・・・・・じーん(T_T)

1コーナーが近く、ブレーキングに入っちゃいますが、その後の立ち上がりも、音だけ楽しめます。

排気音とは雑音の1種ですが、この雑音には神が宿ったかの如き人智を越えたハーモニーを感じることができる。また時速200キロ以上で移動する時にしか現れない稀有なる音波の高速変位が、異様かつ官能的な残響で観衆を包み、サーキットと言う名のコンサートホールを感動の渦に巻き込む・・・これはさしずめ「神様の楽器」とでも言ったところでしょうか・・・って、言っちゃった(^_^;)



とにかく、スゴく感動しちゃいました(*^▽^*)もう思い残すことは・・・



いっぱいあるけど(^_^;)いつでも煩悩は最低108以上ありますんでっ♪

課題は色々あるけれど、とりあえずReady to Rally!

課題・・・?

キャンプツーリングから帰ってきて、オンオフ問わず色々なところを走り回りました。おかげで一ヶ月も経たないうちに第1回目のオイル交換(3000km)。

こんなに乗ったのは楽しかったから・・・というだけでなく、仲良くなりたかったから。とにかくたくさん乗って、シンクロ率を高めたかった。

こうした中で、たくさんの課題が見つかりました。

元からある心配事。

・燃料系統の熱と詰まりの心配。
・クランクケースとウォーターポンプのシール劣化の心配。
・いきなり的中してしまったリアフェンダー周りの破損の心配。
・車名に固有名詞がなく、仲間やなんしーおぢさんになんて紹介したらいいかという心配。

乗ってみて「オイオイ( ̄。 ̄;)」だった事。

・停車直前にエンストするだらしなさ。
・スロットルにパーシャル領域のない男らしさ。
・車高下げすぎのせいで、スタンドを掛ける時に反対側に車体を傾けなきゃいけないやるせなさ。

こいつがもしも○○だったら・・・という関心事。

・ノーマルから約4センチも下がっている車高を戻したら、どんな動きを見せてくれるのか。
・タイヤ幅が140のせいか、ヒラヒラ感が薄い上タイヤの選択肢が少ない。細くしたらどんな動きを見せてくれるのか。
・今は「スコーピオン」なるデュアルパーパスなタイヤを履いているが、足回りが良いせいでグリップ力に全く不満がない。これに私の愛するミシュランT63を履かせたら、どんな動きを見せてくれるのか。

冒頭では「課題」なんて書きましたが、その実態は心配事であったり興味だったり。逆説的に言えばそれだけ魅力があると言うこと。ぼっちさんちの子に乗せてもらった時「フトコロが深い」と表現しましたが、「R」のつかない無印エンデューロは、ナイフみたいに尖っては触る者皆傷つけるような、思春期中二ヤロー。しかし「楽しみ」という面ではRナンバーにも引けを取らない。これからチューニングしていくのが楽しみですヨ~♪
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Ready to “SSTR”

そんなわけで、課題=楽しみが山積みなKTM690ENDUROこと「人麻呂」ですが、明日は日本横断ラリーイベント「SSTR」に参加してきます!

SSTRとは。

日の出(Sunrise)に太平洋側を出発し、各県に設定されたチェックポイントを通り、日没(Sunset)までに石川県羽咋市の「千里浜」にあるゴールに着かなくてはいけないというTouring Rallyなイベントです。

http://sstr.jp/

楽しみながら完走を目指すものであり、順位は付きません。ツーリングにルールが付いた程度のモノですが、出発地点が太平洋側ならどこでも良く、ルートはフリー。逆に言えば、いくらでも難しくできる。

私は2回目の参加。去年はXT660Xで三浦半島城ヶ島をスタート、オンロードのみで完走。時期が5月で日も長かったので、途中白川郷で1時間ばかり観光を楽しむ余裕がありました。
しかし今年の相棒は道を選ばない。オンだけで行ったらヘソ曲げられそう・・・なので、御前崎スタートでオンオフ混合ルートを計画しました。
しかし今は9月、去年とは制限時間がかなーり短くなっている。オフでパンクやトラブルなどあったら・・・間に合うかな(;゚д゚)

ルートを計画し、必要に応じてコマ地図つくったり。そしてトラブルを未然に防ぐための事前のメンテを含めた作戦。申し込んだ時点でもう旅が始まっているのです。
そして準備をどんなに重ねても「完走できるかな」という焦りがつきまとい続ける。それが、ゴールに近づくにつれ徐々に解れていき、日本海を見た時に初めて解放される!参加費はお高いけど、コレがクセになるんですな(^_^;)



さて、仕事も帳尻合わせてきたし、そろそろ御前崎に向かおうかな。
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シェイクダウン方々キャンプツーリングin 南会津

えーっと、当記事のネタとなった日からずいぶん経ちました。(--;だって、途中まで書いたの全部消えちゃったんだもんな(T T)

 

さて、本題へ。

 

納車したばかりの「人麻呂」ことKTM 690ENDURO(無印) に、荷物をわんさか詰めて、去る7月23日24日に1泊2日のキャンプツーリングへ出かけました。

 

色々装備して、こんな感じのいでたちになりました。 f:id:norimaz:20160726220029j:plain

 ダンパーが調整できるので、マニュアルに従って荷物満載時のセッティング、前後伸縮高速低速を全部ハードにしました。

 

1日目

集合は日光市内のコンビニ。いつもギリギリのりまつ、今日もギリギリ。着くと同時に仲間が寄ってきて人麻呂を物色する。うーん、こんな経験、兆治(スーパーシェルパ)じゃしたことないな。

 

ここから霧降高原道路を通って大笹牧場へ。ソフト部はもれなく活動、朝っぱらからソフトクリームを皆でほおばる。今日のもおいしい・・・2ヵ月ぐらい前に食べた時は、もっときめが粗くて味も薄く感じたのです。気のせいだったかな(;・д・)

 

大笹牧場をさらに北上し峠道を下りる。左折した後はいつもなら川俣湖まで行き、湖畔を北上する「川俣林道」を目指すところですが、通行止めの情報を得ていたので途中で右折し、土呂部峠を目指します。土呂部峠は「馬坂林道」「田代山林道」「帝釈山林道」の分岐点。ここに至るまでの細かい舗装林道も、荷物満載の人麻呂は軽やかにひらりひらりといなす。軽やかさでは兆治に敵わないが、これだけの荷物をモノともしないのはさすが。ちなみに各林道の名前は正確ではなく、この記事での呼び分けとご承知おきください。

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 土呂部峠から西へ下り、「川俣林道終点」兼「帝釈山林道起点」と言う地点に着く。

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 小休止の後「帝釈山林道」へ進入、福島県を目指します。人麻呂、初ダート!荷物満載でも安定していて、シェルパのように大荷物に振り回されてる感じがない。さすが!

前半は勾配がなくおおむねフラット、後半登り始めるとガレてくるのは中津川林道と似ている。しかしガレ方は中津川林道よりヒドく、頂上付近では深い砂利に足を取られまくり、とても走りにくい(つд`)メンバーの一人は昨年ココで転倒し無念の離脱がありましたが、今年は全員完走、リベンジ達成!

 

ランチは檜枝岐(ひのえまた)村へ降りて間もなくの「まる屋」。「裁ちそば」と言うのが名物らしいのでいただきましたが、武骨ながらしなやかで香りよく、平打ち麺と相まって喉越しもよい。檜枝岐のそばがこんなに旨かったとは、発見でした(*^▽^*)♪

 

このあとの予定は、当初は一度キャンプ場へ行き、荷物を下ろしてテントを張って、バッグを空にしてから20キロ離れたスーパーへ買い出しに行くと言うものでした。

しかし途中の農協で買い物できることが解り、荷物の隙間という隙間に肉や肉や野菜や肉を詰め込んで、買い出し完了♪キャンプ場へ向けてそろそろ出発しようかというその時!!

 

我が腹部に一抹の違和感が・・・ここは念のため行っておくか、と思い「ちょっと排便してきます」言いその場を離れました。そして店内への僅かな道のりを辿るその刹那!我が腸が雷雲をまとい荒れ狂う飛龍の如く暴れ出す!皆の見ている手前平静を装い、龍がその口を開放しないことを祈りつつ、トイレに座り込む。激しい戦いの末、龍を下し切ることができたが、ずいぶんと時間を取ってしまった・・・手強い相手だった。

 

戦闘を終え晴れやかな面持ちでバイクに戻ると、皆が待っていてくれた。「Congratulation!」的な出迎えがある事を期待するも、出た言葉は

「おーそーいー」

「長い排便だねー」

「肉があったから仕方なく待ってたけどさー」

「これから「排便野郎」と呼びましょう」

・・・なんてこった!この年になって、よもや小学生レベルの屈辱系あだ名を襲名するとは!「排便野郎」?ひねりも何もないじゃないか!いや、すでにひねり切ったからいいのか・・・?

 

 晴れ上がる空とわが直腸。裏腹にしょんぼり気分なのりまつ42歳はとぼとぼと人麻呂にまたがるのでした。

 

シルクバレーキャンプ場は、区分けも何もないいろんな意味で自由なキャンプ場。フリーダムなライダー達に人気なのもうなずける。トイレは一つで風呂もシャワーもないけど、生ビールサーバーはある(1杯500円)という無駄さ加減がいとおしさすら感じさせる。今回は2回目、相変わらずフランクでいい所です♪♪

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明るいうちにテントを設営。軽くなりました♪

 

しかし荷物を降ろして愕然!

 

 

 

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なんじゃこりゃぁ!!

 

この人麻呂を買う時、サイドバッグステーが付いているのも魅力の一つだったにもかかわらず、アクラポのおかげで着かなかったんですね、ステーが。純正よりリアタンクを迂回するレイアウトのせい。この為にフューエルラインの熱問題を解決しているという優れもののマフラーなのですが、今回は痛かった!

でもカウルが張り出してるし、ステーなんざいらないぜーッてなモノ。サイドバッグの内側に遮熱のためのガスコンロ用のアルミを貼って走った、その結果がコレ(T T)

しかしさすがののりまつもこれを全く予測してなかったわけでもなく、実は透明のカッティングシートが張って有りまして、それをはがせばほぼ無傷なのでした。あぶないあぶない。

 

さて寝床も確保できたし、ここまでできたら、もうビールが飲みたくて飲みたくどうしようもないのですが、これから風呂に入りに行かなくてはいけない。近くの木賊温泉(とくさおんせん)の外湯か岩風呂が定番。どちらも歩くにはちと遠い。酔っ払い運転するわけにもいかずビールは我慢します。しかしメンバーの人々はもう、駄弁ってばかりでなかなか腰を上げない。円に組んだテントの前に自前の椅子を置いて、車座でしゃべる事1時間弱。

「この近くにも林道があるんだよ」

「ほほー。行ってみますか」

「いいですねー」

「・・・・」

  

言ったきり、やっぱりだーれも腰を上げない・・・もう、みんな歳だからなー

 

こんなまったりした時間を経てようやく風呂へ。野生的な男子3人は洗い場すらない岩風呂へ。育ちのいい僕らと女子は外湯へ。埃にまみれた全身を洗い流し、コンタクトを外してスッキリキリ♪

 

風呂を出て商店で皆が水分補給するのを待っていると・・・

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でた、お約束!サダコ的なクリーチャーが!この後彼女に襲われ、辺りはふた目と見られぬ惨状に・・・って、ないない(^^;正体は、転ばず汚れぬスワンことN子さん。灰皿のタバコはN子さんの吸い殻ではありません、念のため。

 

キャンプ場に戻り、BBQの支度の為に囲炉裏を占拠。火熾ししながら、もう早速生ビール!はぁ~・・・(///▽///)この一瞬の為に生きてるなぁ・・・言い古されてるって?知った事か~コイツの旨さは古今も東西も流行りも廃りもありゃしないんだよぅ・・・よーするにこの世の宝なんだよねッ♪特に、楽しい仲間とサイコーのロケーションでいただくのは格別なんさー♪♪♪月並みだけど、逆に言えば普遍的な火を囲んでの会食、そして酒の旨さ。

 

・・・火って不思議です。こうして1日目の夜は更けていきました。

 

 

二日目

 

去年のキャンプも朝練で始まりましたが、今年も例にもれず朝練へ!昨年行った安ヶ森を目指します。

 

安ヶ森林道は、この地図からは切れてしまっていますが国道352号線から南に延び栃木県に至る帝釈・田代に次ぐ3本目の林道。ここに行く前に、準備運動とて「唐沢林道」へ。トンネルを迂回する旧道で。短いし、丁度いいべー・・・て思ってたら、深ーい溝!ヌタッた登りながらヘアピンからの崩落大ガレ。短いながらもかなり楽しいアスレチックになってました。仲間も溝の餌食になってる人アリ。のりまつは不慣れなエンデューロでも、鉄則「迷ったら前だ!」を守りなんとかクリア♪アクセルさえONにしておけば何とかなる、なんとかしてくれる頼もしいヤツ!

 

安ヶ森林道へ到着。ここはよく崩れて通行止めになります。路面は基本的に荒れっぱなしなのにフラット。柔らかめで礫が少なく、とても走りやすい。渓流沿いの緑のトンネルとあいまって素晴らしくさわやか!スピードも乗る乗る!

 

そんな感じでカッ飛ばしてたら、先行のD部長がいきなりジャックナイフからの前方一回転ゴケ!行く先には道を横切る大クレバスが!突っ込んでたらやばいことになっていたのが、D部長がジャックナイフゴケすることで回避したのでした。・・・ってゆーかD部長、大丈夫?!骨の一本や二本はイッてそうな激しいコケっぷり・・・と思ったら、こともなげにむくりと起き上がり「いってー」って。・・・そんだけ?不死身?

 

・・・というのが去年の話。

今年はすでに完抜不可の情報があり、ピストンの予定で行きました。

 

そして予定通り通行止め・・・しかし脇を見ると川原に降りる道(?)が。ともに先行してきたYつ氏としばし顔を見合わせる。おもむろに機首をその道に向け河原へ降りていくYつ氏。面白そうなのでのりまつもついていきました。

 

浅い上流の川らしく川原もゴツゴツしているが、重機のクローラで馴らされて道ができています。その道は時に川の中を突っ切り、どこまでも続いていました。Yつ氏と2機でプチ渡河を楽しみながら、5分ほど走ったところで休憩。川に緑に白い河岸がキモチイイ(*^▽^*)

 

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プチ渡河。距離は短いけど、フロントのアクスルが沈むぐらいの深さがあって、ドキドキ体験♪

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でもそろそろ戻らないと。

他の皆が通行止め地点で待っているので引き替えしました。そしてこのタイミングで燃料警告灯が点灯。ま、「エコモード」にしておけば、あと林道1本ぐらいはイケるでしょう。

 

・・・なんて軽い気持が後で泣きを見ることに(つд`)

 

安が森の次は、田代山林道の頂上までをピストン。意外と頂上まで距離がありましたが、とってもいい景色!

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切り通した尾根から集合写真♪

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しかし気が付くと・・・

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あやや~!ウィンカー折れてるあるヨ~?!噂には聞いていたけど、かくももろいものとは。ウィンカー着けてダートを走る設定になってないってコト?

 

 

帰りはガソリンが心配なのでエンブレ使いながら降ります。ようやく舗装の県道についた後ガソリンを入れに行くことに・・・しかしここは南会津。ちょいとそこいらにガソリンスタンドなんてありゃしません。警告灯が点いて42キロぐらい。シェルパでもあと20キロはイケるから大丈夫かと思ったその時!

 

加速しようとひねるアクセルも虚しくエンジンは吹け上がらず、スヤァ・・・っとオヤスミに。やっちまった!正真正銘ガスッ欠のカラッケツだぁ(つд`)

 

 

しかも皆は先に行ってしまい1人取り残され、万事休すと瞑目・・・すると、後ろからYつ氏の声が。助かった・・・ヾ(o´∀`o)ノ

 

グーグルマップで見ると、2・3キロ先にガソリンスタンドマークあり。田舎のことだしアテにはならないが、すがる思いでYつ氏に様子を見に行ってもらう。

10分後、赤い携行缶を積んだYつ氏が戻る。ガソリンスタンドは営業しており、とりあえず1リットル持たせてくれてのでした。そいつを注入し再始動!ありがたやーありがたやーm(_ _)mガソリンスタンドへ行き、ちゃんと満タンに。よかったよかった。

余談ですが、このガソリンスタンド、亀がいます。デカいの二匹。

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こうして無事にキャンプ場へ戻り、朝食クッキング♪いつもの「白石温麺」にお茶漬けの素(持参忘れてMとし氏におすそわけいただく)、貝の水煮缶を具材に入れて。

食後に撤収して記念撮影。

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あれ。なんかゆるゆる。ま、いっか。

 

この後は荷物満載で田代山林道を越えて土呂部峠に帰ってきました。シメはもちろん、大笹牧場のソフトクリーム♪

 

なんだかイイトコなしなツーリングでしたが、おおらかなみな様に笑い飛ばしていただきながらすっかり楽しんだのでした。

 

おわり。

 

柿色のアイツがやって来た!

市丸と袂を分かつたあの日、入れ替えでお迎えしました。


KTM 690ENDURO「人麻呂」 2010年式
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名前の由来は柿色だから、名前に「柿」の付く有名人からいただきました。
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市丸はオトコみたいな名前ですが、有名な芸者の「市丸」からいただいてました。しかし今度はおっちゃんです。クネッとした感じがのりまつっぽくていいかな。




詳細は後日アップするとして、とりあえず明日!こいつでキャンプツーリング行ってきます!

2号機、XT660X。

GPZ900Rからスーパーシェルパに乗り換え、林道遊びを初めて1年半たった頃、シェルパの自転車のような自由さと遠乗りに向かない不自由さ、つまりは度し難き二律背反のジレンマに直面するのでした。大好きな上田の蕎麦を食いに行くのもままならず、またGPZの胸の空くような加速が恋しくなったこともあり、紆余曲折の末迎えたのが今の2号機「市丸」ことXT660Xなのでした。

XT660Xとは

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SOHCの単気筒、直径10センチのピストンが、最大毎分7000回も往復運動して、48馬力を叩き出します。パワー感は額面以上に感じることができ、コクのある加速が楽しめます・・・が、専門家に言わせると「燃料マッピングが原始的」なんだそう。確かに扱いやすいというにはかなり微妙で、特有のギクシャク感がある。同じ排気量のBMWのセルタオに乗せてもらった時は、育ちのいい馬のようにマイルドでした。確かにアレに慣れてると乗りづらい以外の何物でもないが、コレに慣れてるとBMWが物足りない以外の何物でもないといった印象を受けるかもしれません。
ちなみにクランクケースからエアクリーナーBOXに通じるブローバイホースに咬まされている樹脂製の黒ひょうたん↓
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これをKTM純正の逆止弁(内圧コントロールバルブ・PCV・バックプレッシャーバルブなどとも言います↓)
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にすげ替えれば、面取りしたジャガイモのようにいくらかスムーズ感が増します。
とは言え、インジェクションなので高地でもへこたれず、志賀草津道路やビーナスラインも快適に駆け抜け、燃費も約30km/l弱。ハイオクをいれてあげればさらに喜んで走ってくれる、現金なヤツです。

オフロードタイプの車体にオンロードの足回りを組んだ、いわゆるモタードと言われるカテゴリーですが、同族と較べるともったりしてるんだそう。確かに250クラスの軽快さはない。同じ排気量クラスならKTMとかドゥカティとかの高性能車が顔をそろえる。そんなヤツらには到底敵わないが、もったりもっタードにはもったりもっタードのよさがある。

その最たるモノが、乗り心地のよいシート。
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破れてますが(T-T)
だいたいのモタードはシートが細く、スポーツ走行には向いているが、ことツーリングとなると話は別。足つきの悪さとあいまって、さながら嗜好性の強い大人の娯楽用木馬のよう。ほとんどのマシンの名に「SM」とつくのはこの為であることは周知の事実ですが、やはりツーリングでは安楽さはとても大事になってきます。XT660Xのシート、とても疲れにくいです。
ただ足つきは、決してよくないです。身長178センチののりまつで、両足なら足の前半分ぐらいしか着かない。片足なら問題なく着くので信号待ち等で苦しむことはまったくありません。
振動も気にならない(個人差あり)し、風は後から付けたGIVIの汎用スクリーンがいなしてくれる。単気筒ならではの定速キープの難しさは無いではないけど、私にとってはアバタもエクボかなと言ったところ。

高速も楽。公称48馬力という数字は頼りなく感じるかもしれないが、120キロの巡航はストレスないとのことだそうの様です。7000rpmしか回らないから、すぐ頭打ちが来ちゃうけど(燃料カットがかかる)5速120キロからでも余裕で加速し簡単に150キロは越えて行き、最高速は170キロちょいぐらいとのことらしき話。

昨年5月に85000キロで納車された市丸さん。去る6月26日にめでたく10万キロの大台に乗りました。人間で言ったら100歳ってとこでしょうか。1年で15000キロ、別途シェルパでもツーリング行ってるのでまあまあのコキ遣いっぷりかな。
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コレを潮時として、市丸、生前退・・・じゃなく隠居をいたします。
いわゆるマイナー車でヤマハとは名ばかりの逆車。パーツもWRのようには手に入らないが、コクのある加速感で高速道路を駆け、ワインディングもひらりひらりとこなすフットワーク。遠い地へも苦も無く運んでくれる不世出の名馬、無冠のアレクサンダー。短かかったけれどコクのある旅をありがとう。

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次の旅は、どこに向かうかな。