嵩屋天狗堂~はてな支店~

オフロードバイクアリマス。

旅ごっこ中、行き倒れ?!

暑い日でした。


まだ季節は梅雨明け宣言も済んでないのに、気温は30度を軽く超える暑い日でした。


こんな日に私は、人麻呂(690ENDURO)と都内にいました。豪徳寺やら霞ヶ関やらを徘徊したあと、日本橋へ。
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ここから、人麻呂では初となる中山道踏破の第一歩を踏み出すことが目的。


中山道とは、江戸時代に成立した、江戸を中心に放射状に伸びる五街道のうちの一つで、江戸から武州・上州・信州・濃州を抜け畿内に至る、いわば東海道と対を成す山間ルートです。宿場の数は67、総延長は500キロを超えます。


現在で言えば、国道17号・18号・19号辺りのルートとなるのですが、それとは別に、現存する本物の旧中山道があるのです。


たとえば都内なら、板橋区の志村の坂を通る17号が現在の中山道に当りますが、本物は志村坂上駅周辺の五差路の、交番のある細い坂道を下るのが本当の中山道
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こちらは「清水坂」といい、道中で左側に赤城山が見える珍しいスポットだったのです。

信州に至れば、木曽路は有名な奈良井宿。今はトンネルを抜けて簡単に次の藪原宿に至る事ができるのですが、本当の中山道は峠を越える登山道の方。オフ車なら充分行けちゃうルートですが、モラルを守り侵入はしてはいけません。その代わり迂回するルートが8キロばかり、いい感じのフラット林道が楽しめ、途中の峠では旧道と合流し、茶屋跡で昔の面影を楽しむことが出来ます。
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岐阜市内や恵那市では、「枡形」と言って、大軍の進行を妨げるために、あちこちが90度ないしそれ以上に屈曲しており、ところどころ一方通行でまともに通行できない箇所が多くあります。
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知らなければただの路地にしか見えないようなところが、実は昔の1級国道。


そんなわけで、中山道を辿るというのは、本来なら歩きでしか踏破できない事であり、見方によってはとてもロマンのあるものなのです。


しかしのりまつは社会人なので、歩きで500キロを踏破する時間もないし体力もありません。そんな時に便利なのがオフロードバイク。先述のようにダートもあれば階段もあり、人一人しか通れない場所もあれば押して歩かなければいけないところもある。軽くて道を選ばないオフロードバイクは、当時からすれば馬のように便利な乗り物なんですね。



話が逸れましたが、今日は都内の中山道を辿ります。



日本橋を北上し、中央線のガードに突き当たる所まで行きます。昔はここに筋交橋があって外堀の向こう側に渡れたらしいのですが、今は無いので昌平橋へ。渡ってすぐ左折→右折→左折。この間ぜんぶ信号待ち、人麻呂のファンは回りっぱなし。あちい。

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神田明神を右に見て、門前の「天野屋」から右斜めに入る路地が中山道
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そこに行くとすぐに突き当たってしまい寸断されているので、元の道に戻ろうとする(青い矢印の方)も・・・一方通行。
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こんな時は。押して歩く!ほーら、あっという間に歩行者になりましたよ♪


そのまま北上し、東大正門を過ぎた辺りで「国道17号」の案内どおり左折。東洋大の前を通って白山通りに合流すると、まもなく巣鴨の地蔵通りへ。ここも中山道、しかし歩行者天国!またまた歩行者に変身!今度は長い道のりなのでジャケットとヘルメットは脱ぎました。

途中にある「みずの」で塩大福を買って、更に押して歩きます。
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「とげ抜き地蔵」こと高岩寺門前、朝顔市がさわやかな江戸の夏。

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庚申塚の駅辺りからはまたライダーに戻り、中山道第一宿、板橋宿まで。


JR板橋駅の北側の踏み切りは、「中仙道踏切」といいます。JR東日本では一番初めの中山道を横切る踏切。この後「第2」「第3」と続いていきます。
ちなみに標記で「中山道」が国交省の正式なモノ。コレを決めたのはなんと江戸時代の新井白石であるとの事です。JRがなぜ「中仙道」と標記するのかはわかりません。
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写真は板橋の地名の由来となった「板橋」。仲宿にあります。


さて板橋宿を過ぎて一方通行や陸橋下をくぐるのに何度か押し歩き、先出の清水坂を降りると、ようやく戸田橋すなわち江戸の出口。江戸時代は「戸田の渡し」だってそうな。


さて、今日の中山道散策はコレまで。


というのも、



人麻呂がもう、暑がっちゃって限界。っていうか、ファンが回りっぱなしで熱風をすべてライダーに吹きかけるので、こちらが参っちゃう。信号待ちが多いんですよね、都内は。やはり夏にこんなことをするのは無謀でした。また冬に、埼玉編を続けようと思います。



さんざん暑気に当てられ、ヘロヘロな人麻呂のLC4エンジン。信号待ちからのスタートの時、一瞬オチそうになる悪い癖が出てきたので、ギアを入れる前にひと吹かし。その瞬間、

「ポン!」

と音がしてエンジン停止。






・・・人麻呂よ、お前もか!




つづく。



長くなったので(^^;