嵩屋天狗堂~はてな支店~

オフロードバイクアリマス。

今日の夕日は絶対見るんだ!~SSTR参加記録・最終回~

前編・後編でいんじゃね?みたいなツッコミは置いといて(^^;)



SSTR本番、始まり始まり~♪


昨年と違い、現実と混じった変な夢に苛まれる事なく、1時ごろ一回目が覚めただけで、意外と良く眠れました。この事が、後に助けになったのです。


3時半頃、目覚ましでしっかり起きる事ができましたが、支度に時間がかかり気がつくと4時。波立薬師まではおよそ20分、日の出は4時25分。やば。


この時間は、どこの海辺でも釣り人と思われる車が快走しています。知らない道で白黒のP様に捕まる可能性もあるので、地元のこんな釣り人の車についていくのが一番。


無事に波立薬師に到着・・・のりまつの他にSSTR参加者が3台もいる?!意外といるんですね。でもみんな大排気量のオンロードバイク。高速をカッ飛べばさほど無理な行程でもないみたい。私は余計なことを考えてるから余裕がないんですね。



そして迎えた・・・


4時25分。



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水平線から、太陽が出てきました・・・3回目の参加にして、初日の出。

感動です。これからあいつを追いかけて、反対側に沈むのを見届けるんです。

今からなんか、感無量!


奥様(?)が車で同行している参加者がいて、その奥様が「写真撮りましょうか?」と申し出てくれる。
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ありがとうございます♪さっそく味わう、SSTR連帯バイアス。普段なら挨拶なんてしないのに、SSTRのステッカー貼ってあるってだけで、お互いニヤッとして挨拶をしてしまう。これも醍醐味なんですよね。


スタート・・・


しかしボヤボヤしてられない。アクセス集中する前に、登録システムでODOとGPSデータを送ってチェックインしなきゃ。ここいわき市は、本州の中でも早い方の日の出だから、つながりやすいかも。ダメもとで送ってみると・・・

「送信完了しました」とメッセージ!今年は上手くやってくれた!去年と違って画像を送らなくてよくなったからでしょうかね。とにかくスムーズにスタート・・・と思いきや。

先ほどの奥様連れの方、「送れました?」と聞いてきます。私はSSTRの登録システムへのショートカットを待ち受けに貼り付けてあったのでサクサクアクセスして送れたのですが、その方はなんと、この時点で検索エンジンで「SSTR」と検索始めたのです。
悪いことにSSTRのトップページにはシステムへのリンクが貼っていなく、私もずっと前にショートカットを作ったので覚えていなく、さらにはのりまつ的に使い方が全くわからないiPhoneで、持ち主であるその方も使いこなせていなかったので、すっかり迷子になってしまいました。
写真撮ってもらった恩もあり後ろ髪引かれる思いだったのですが、奥様がマニュアルを出してきて「これを見てやりますから、後は大丈夫です」というお言葉に甘えて、出発させてもらっちゃいました。うまくいったか心配ですが、マシンがBMWのSSみたいなヤツだったので高速でカッ飛べば間に合うでしょう!




そう、のりまつは色々欲をかいているので、余裕がないのです。少なくともすべてのダートを抜けるまでは。ダートにリスクがあるのは他のSSTR仲間も承知で、当日はオンのみ、帰りにダートを楽しむ方法を取っています。
でも、やっぱり当日のルートにダートを盛り込むことで、人麻呂の存在価値が活きると思ったのです。泥ハネで汚れたSSTRのゼッケンを引っさげて、夕日の千里浜を凱旋する。こんなイメージが今回の目標なような気がしています。


ダートでは何があるかわからない。だからリスクの少ない高速道路でなるたけ時間的なマージンを稼ぎ、休憩も必要なので無駄な時間は極力省きたい。そんなわけで、精神的に余裕がないのです。たかが自己完結のイベント、完遂できなくても誰も困らないのに、ここまで追い込んだルール(ルート)を取らなくてもいい気もするのですがw


快進撃!でもちょっとコケる。


道の駅四ツ倉でまたGPSを送りチェックイン。スタンプは開店前なので押せない。こうしてGPSを送ったポイントポイントをつないで走行ログが完走証に記録されるのです。それに、道の駅=2ポイント、高速のSAPA=1ポイントで、合計10ポイントを取らないと完走にならないのです。


この四ツ倉から常磐道磐越道と走ります。朝霧朝もやの阿武隈山地は気持ちいい!ところどころ見える盆地に川霧が漂い、日本昔話のよう。そのうち高度が上がってくると雲の中に突入。寒い!9℃!中にダウンを着て置いてよかった。外套をkappaの合羽にして置いてよかった!


高速をひた走っていると、眠気第1弾が襲ってくる。でもこれはね、気のせい!だってよく寝たし、まだ起きたばかりじゃないか!と言い聞かせ、先を急ぎました。案の定、フッと意識の遠くなるようなヤバい方の眠気ではなく、本当に気のモノでした。
でもお腹空いたので、那須高原でサラッと朝食。
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すきっ腹にうどん、旨し!昨日から心配していたお腹の調子も好調で、くだり龍はお休みの様相。よかった。


昨夜ホテルの近くで入れたガソリンは、そろそろ危うい状態。でも日光まではもつし、最後のインターの先にガソリンスタンドがあった。が、時間がまだ早い気がしたので上河内SAで給油。GPS送信とスタンプGETを忘れず行い、再出発。次の目的地は日光・いろは坂


日光道への分岐を気にしながら快調に東北道を南下します。なんていうジャンクションだったっけな・・・行けども行けども日光道へのジャンクションが現れず・・・気が付くと鹿沼?!え、行ぎ過ぎだっぺよー?!


急いで降りて引き返す・・・片道10キロ、12分ぐらいのロス!これが痛恨の時間にならなければいいのだけど。

私が考えていた「宇都宮ジャンクション」的なものはなく、一度宇都宮インターチェンジで降りて、それから日光道に乗る、という方法だったみたい。そうでした。うっかりしました。


そんなこんなで無事いろは坂の麓に着きます。最終の清滝インターチェンジの先のガソリンスタンドは、案の定まだ開店前。読みが当りました。心の余裕を少し得て、いろは坂のワインディングを楽しみます・・・が、ここ、ヘアピンに縦溝入ってて走りにくいんですよねー。
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明智平にSSTR参加者がいました。

高度を上げて中禅寺湖へ。こんな早い時間にここに来ることは無いので、いつもと違った光の向きによる湖面の輝きに、ちょっと感動。
戦場ヶ原を抜けて、金精峠へ!海抜ゼロに近いところから走り始めて、こんな高いところに来ちゃいましたよ!でもこの先、国道最高所を通るんですから!!この高低差も、このルートの見所なんですよー。
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金精峠は、日光側の展望がまるで箱庭のよう。いろは坂の下から見た雄大男体山を、今度は眼下に見下ろします。麓には中禅寺湖とたくさんの森があり、それが山々に囲まれていて、ファンタジー映画のオープニングに使うCGのよう。のりまつの写真の腕じゃ伝わらないので、ご想像にお任せしますw
そういえばいつだったか、ここ金精峠での日の出を見たくて、暁ツーリングを敢行したことがありました。あの時も見事だったな♪
ここでも写真とGPSを送りチェックイン。ポイントにはならないけど、走行ログに記録されるから。


ここを降りて片品の街に入れば、まもなく最初のダンジョン「赤倉林道」。動物除けの鉄門を開けて進入、相変わらずガレているけど好きな路面。調子に乗ってペース上げすぎないよう気をつけますよ。
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この前後がガレてるんですよ。でも、きれいな砂利敷きの路面より好き。

無事に赤倉林道を抜け、シミュレーションより30分早く「道の駅・田園プラザかわば」に着きました。とりあえず胸をなでおろしますが、まだ半分も消化していない。まだまだ不安の方が大きい。でも、これは外せません↓↓
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かわばんち「りんごソフト」

おそらく私の好きなソフトNo.1です。おいしいことには変わりないけど、いつものツーリングの終わりに食べるときと比べて、純粋に楽しむことができない。気持ちが千里浜にあるせいでしょうかね。


ここからいつもの利根沼田の道の駅、「矢瀬親水公園」「たくみの里」でチェックイン。これですでに10ポイントは稼ぎました。あとは必須チェックポイントで寄る予定の、富山県・メルヘンおやべでチェックすれば、完走要件を満たすことが出来ます。


たくみの里を過ぎると、もうすぐ二つ目の林道に差し掛かります。ここから草津に抜けて、国道最高所を通り、飯山から高速に乗るプラン。シミュレーションに照らして、やはり30分程度のマージンが取れています。まずは順調・・・でした。ここまでは。



緑の闇に震える尾、迷走。そしてスポ根w


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利根沼田から草津に行く間、やはり何かが起きたようです。
詳細を書く事ができないのですが、森を1時間以上彷徨い、挙句草津には抜けることが出来なかった。この時点で半分以上リタイアする気になっていました。いつもの仲間でLINE上にSSTR板を作っていたのですが、ここに泣き言をつらつらと書いた気がします。
しかしWっきーさんの「あきらめちゃだめです、なんとかなります」って言葉に気持ちを持ち直す。いい歳して、昭和の青春ドラマみたいな感じ。シンプルな励ましの言葉なのに、妙に元気が出た。

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こうして関越高速・月夜野インターチェンジに引き返し、関越~北陸道で千里浜を目指すこととなりました。
今日は絶対、朝昇ってきたアイツを千里浜で見送るんだ!



時間ぎりぎりで間に合うかどうかのこの瀬戸際に、とうとう来ましたよ「睡魔」が!今度のはガチのヤツ。放っておくと走行中でも眠りのかなたへ意識を葬り去ろうとする、恐ろしい魔が!悪いことにこの先は10キロ以上にも及ぶ関越トンネル。ヤツが大暴れする事は間違いない。

ここは仮眠だ!谷川岳PAで空いているベンチで全神経を睡眠に集中させる。いい感じにオチることが出来ました・・・



「はっ!!寝すぎた!!」

と、飛び起き時計を見る。ここに着いてから10分も経っていません。うん、こういう風に起きるって事は、良く集中して眠れたみたい。


はしるーはしる~♪オレ♪


ここから385キロ、高速道路をひたすら走ります。人麻呂君はトルクあるので高速も得意ですが、これはちょっとキツイ。隼やザクレロでもなければ、ちょっと苦行ですよね。

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ハヤブサ


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ザクレロに似てるZX-12R


でも現時点でマージンはたったの30分。再度の睡魔や2回の給油、予期せぬ事態も起こるかもしれないのにかなりタイト。迷っている暇は無いのです。こんなとき、威力を発揮したのがスロットルアシスト。

つける場所を決めるのにちょっとコツが必要ですが、慣れればこんな時に絶大な威力を発揮します。


スロットルアシストを着けて、ちょっと後目に座っていつもより前傾して、なるたけ疲れないような態勢でひた走ります。

広い新潟県の西半分を走っていくと、途中日本海の海岸線を走ります。しかし、不思議と何の感慨も湧かない。同じ日本海でも能登半島の向こう側でなければ意味がないみたいです。

糸魚川を過ぎればまもなく富山。糸魚川といえば、彼はどうしただろうか。
www.botti-bk.com
余裕があれば冷やかしwに寄りたかったが、今は一秒も余裕がない気持ち。遠くから応援します、頑張って!・・・て、もう終わってる時間か。お疲れ様!


富山県までくればもう少し・・・などと思ってしまうけど、湾岸沿いに走ると意外と距離がある。しかし左手に白い山の峰々が姿を見せ、なんとも圧巻!富山の人たちは毎日あれを見て暮らしているなんて、すばらしいと思いました。


2回の給油を経て、長かった高速も富山の西部で降ります。そして最後で必須の「メルヘンおやべ」でチェックイン!あとは倶利伽羅峠を越えて、能登の国を目指すのみ!


エルドラド


ナビのとおりに道をたどり、「のと里山海道」への入り口となる「白尾ジャンクション」。このランプウェイを登りきると・・・


一面黄金色!


傾きかけた黄金色の太陽が、空も海もすべて、無垢の黄金色に塗り替えていました。そこには水平線すら確認できない。光が柔らかで、黄金というよりはミルクのよう?かも。
止まって写真を撮りたいけど、止めるのももったいない!でも撮りたい!
でもでも今は走って、このミルクにとけよう!


今までの参加の中で最高の夕日を受け、ゴールである千里浜を目指します。周りはSSTRのゼッケンを貼ったバイクだらけ。


のと里山海道の「今浜IC」を降りるとマーシャルがいて、、例年と違う右に進路を取らされる。しかし程なくして現れる砂浜・・・すなわちゴール!




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今年から、ゴールゲートではなくこの千里浜全体がゴールとなったのでした。ゴール渋滞で間に合わなくなる場合への配慮でしょう、ナイスな変更でした。


オフ車の特性を活かし、思うさま砂浜を駆け抜ける。沈み往く黄金の夕日を左に見ながら、一時はリタイヤを考えたことを思い返しました。諦めずに来てよかった。泥ハネで汚れたSSTRのゼッケンと夕日を入れて写真を撮りましたよ。
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イマイチ泥んこ感が判らないな(^^;)
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こんな感じ。


ゴールゲート近くで仲間が声をかけてくれる。LINEでみんなに泣き言を垂れ流していたので、ちょっと気まずかったり照れくさかったり。でも、あんな笑顔で迎えてくれて、やっぱりみんなで参加してよかったと、感動もひとしおでした。


宿泊


SSTRに正式参加した仲間は5人。これに加えて応援かたがたツーリングで千里浜に来てくれた仲間が2人。仕事が終わってから新幹線で駆けつけてくれた人が1人。みんな仕事を持っているので、宿泊者数が決まるまでなかなか時間がかかったのですが、SSTR当日の宿はあっという間に一杯になる状態。そこで、早々にEなさんの紹介で8人部屋のある宿を取ることにしました。


欧米系の外人と大学生っぽい人々が多い宿。泥んこまみれのおっちゃんおばちゃん達にはちょっともったいない、オッサレーな宿です。
www.thesharehotels.com

が、そうなのです。泥んこまみれについてくる、愛車の置き場所がない!リサーチ不足でした。宿の人に聞いて行った立体駐車場は、停めても良さそうだけど支払いシステムがわからない。後で怒られても嫌なので止めておいて、Google先生で検索。宿からずいぶん離れた金沢駅に無料駐輪場が見つかりました。ついでに新幹線で来るびわみかんさんを迎えに行ったついでについでに、駅前で祝杯を挙げることになりました。
みんなで祝杯挙げられて、ほんっとーによかった!!

まとめ

個人で参加するイベントだけど、やっぱりみんなでゴールで落ち合い喜びを分かち合うのは楽しい!
たかが趣味の集まりで、少年漫画のような熱っぽいものもあるわけでは無いと思うんです。行きも帰りも別々だし。みんないい年だし。
でも、普段はトラブル付き合ったりつき合わせたり、一緒においしい物食べたりする本名も良く知らない人たちと、こうして何かを分かち合う時間を重ねていくと、なんだか「仲間」って呼びたくなるんですよね。

そして無駄が多くて何かとめんどくさいバイクだからこそ、旅とか冒険という物になるんでしょうね。

海も山もいっぱいあって、バイクもいろんな種類があって。日本はいい国ですね!


いや~バイクって、ほんっとーにすばらしい物ですね!それではまた、御一緒に楽しみましょう。