嵩屋天狗堂~はてな支店~

オフロードバイクアリマス。

駆け巡る青春。SSTR2019に参加しました。

 


大人の時間感覚を身につけたい、嵩屋天狗堂・番頭ののりまつでございます。バイクとはなんたるか、そのすべてをここで語りたいと思います。ウソです。すいません。

 


今年もSSTRに参加してきました!


仕事は半ドン。急な案件が飛び込んでこない事を祈りつつ、粛々と仕事をこなす。職場で昼食を摂り、できるだけ人目を避け、即帰宅。KTM690ENDUROこと人麻呂にETCカードを挿入後、「エンデュリスタン・ブリザード」を装着し、インカムを調整。びわみかんもフンコロガシのような大荷物をCB400SFにくくりつけ準備万端。スタート地点である福島県いわき市のホテルα-1を目指し出発!僕らの旅が始まります。

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旅に出るには良い日和だぁ。

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いわき市内で199円の生ビールと串焼きで心身を満たし、部屋に帰ったらぷしゅっと一発、蚊よけのスプレー。去年はジャマされたので一つ利口になりました。

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安い!

 

 

何度か「はっ?!2時?!」と目が覚めてしまいましたが、まあよく眠れた方かと。3:12ごろ起き出し、目覚めは良好。3:50、宿を出てスタート地点へ。なんとか予定通り、波立薬師前からスタートできそうです。明けてゆく空を眺めながら日の出前の清涼な空気を切って走るのは最高ですね!

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明けゆく空に心もざわつきます。

 

 

薬師様に日頃の感謝と旅の無事とお祈り。

そして迎えた4:20、今年のサンライズもすばらしい!

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一昨年と同じ、荘厳な日の出。

 

 

リベンジルートを走る走る

 

いわき四倉辺りから内陸に向かい、阿武隈山地を通り東北道に出て、宇都宮まで南下後日光へ抜けます。ここまで有料道路でトントン拍子。その後いろは坂を登り中禅寺湖を過ぎて元国道最高所である金精峠を越えます。阿武隈や奥日光戦場ヶ原は気温8度!

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阿武隈高原にて。カメラに虫が・・・

寒かったけど、ダウンを着込んでいたのでだいじょーぶ!そして同行していたびわみかんと別路へ。

 

のりまつは目標にしている群馬県内北部の3つのダート林道のうちの一つをめざしました。

野生動物が降りてこないようにするゲートを開けてしっかり閉め、ガレている道を越えていきます。

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ゆがんで固くなった閂がかかっています。

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伝わりにくいかな、このガレ荒れ感。

一山おりきったところに差し掛かると、いつもはすんなり通れる場所が、がっちり通行止めされている?!下見の段階ではこんなの無かったのに!!うわー、またあのガレガレを戻るのかー。しかもこいつぁまあまあのタイムロスだよー。

 

急いでガレ道を戻り、焦る気持ちでオンロードを飛ばして、びわみかんとの合流地点「田園プラザ川場」に着きました。

 

いつも皆で来る時に食べる「りんごソフト」は、1日さんざんダートツーリングを楽しんだ後に、暮れ行く空を眺めながら楽しむ極上の味わいなんです。しかし今日のはまだ序盤の、これからいくつもの困難を乗り越えなくてはならない状況で食べている。味も何もわかったモンじゃない・・・事もなかった。いつもどおり、スゴうまでした。
でもびわみかんは食べるような心境ではなかったみたい。この不安感、SSTRなんですね。

www.denenplaza.co.jp

 

月夜野あたりで再度びわみかんと別の道に行き、因縁の秋鹿大影林道を目指します。一昨年は、ここで引き返さざるを得ない状況に陥りました。ここを突破すれば、もう半分勝ったようなもの・・・いくぜ!!

 

気合入れた割りに、「そろりそろり」な走り方。だってまた何か落としたら嫌なんですもん。それに、ガソリンタンクの蓋のパッキンが悪くなってて、満タン時にゆれるような動きをするとガソリン臭が漂ってくるのです。引火したらどうしよーなんてヒヤヒヤも感じながら、そろりそろり。5分に1回、後を振り返り、装備品が脱落していない事を確認します。こんな時、長く感じる、このちょっとガレ気味林道。

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一昨年の引き返しポイントにて。何も落としていないかな・・・確認中。

 

思い切り悪くそろりそろりとダートを走るということは、逆に難しくなります。マシン任せにアクセル入れて走った方が、素直だし走りやすいんですね。しかもブン回さないと機嫌が悪くて言う事を聞かない人麻呂君。苦しい走り方です。
しかしそれもずっとは続かない。大好きなダートが苦しく感じたこの区間も、一昨年引き返したポイントも無事に通過、そして林道を抜けた!・・・ついに克った!!

 

 

しかし油断していられない。次にはほぼ同じ長さのダートが待ち受けています。浮つく心を抑えながら慎重に慎重に。5分に1回振り返りながら(笑)。

そしてようやくこのルートのハイライト、1キロ直線ダートにたどり着きました。ここで今までのうっぷんを晴らすかのように出せるだけ出してやりました!でも途中でちょっと撮影。そんで落下物の有無の確認。

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この1キロ直線を抜ければ、もうすぐダート区間も終わり。

ここを過ぎれば、ようやくダートは終わり!40キロ以上に及ぶハイリスク区間を、なんとか無事に走りきりました!


ここから国道最高所を目指す予定ですが、今年の草津白根山はお怒りモード。ここへ行くには、嬬恋へ大きく迂回して南方から登る万座ハイウェイを通るしかない。しかしこのルートでは30分のロスが見込まれるといった状況でした。
18時ごろのゴールから逆算すると、11:30ごろにここに着いていなくてはならない計算でした。


実際どうだったかというと・・・

 

12:30!

 

1時間も遅くなっていました。そもそも一つの基準地点にしていた「田園プラザ川場」の時点で、予定より30分以上遅くなっていました。やはり最初のダートでの鉄壁の通行止めが原因か。

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ダートはすべて抜けたけど、1時間も遅れている。ここからどうしよう。

考えても仕方ないけれど、できれば最高所を目指したい。それによってびわみかんとのランデブー地点も変わってくる。ここでもグーグルマップ恃みでシミュレーション・・・やはり国道最高所周りは30分余計にかかる。しかし、そこから指定道の駅・福光経由で千里浜を目指しても、マップ上では18:40頃には着く計算。行けなくは無いけど・・・休憩時間やコンピューターでははじき出せない人間の余分なアレコレを加味すれば、このマージンは危険かな。ここは思い切って、諦めた!!

 

オンロード経由のびわみかんは、どう転んでもツブシが効く地点として指定しておいた万座鹿沢口駅前で待っています。ここに向けてバビューんとかっとびー(昭和感)。気温は30度、なんと朝から22度も上がっていました。

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決して暑い土地柄ではない、六合村にしてこの気温。


大分待たせて無事に万座・鹿沢口駅でランデブー。のんびりとした風景の鳥居峠を越え、高校の時に合宿したなんて話をしながら菅平を過ぎ、須坂から高速にRIDE ON!!ほえろLC4!!
・・・ほえる間もなくおぶせサービスエリアへ。まだお昼食べてなかったのでした。
気を取り直して、ほえろLC4!!!
・・・しかしやはりほえる間もなくPIT IN。いつもの、睡魔さんです。妙高高原PAで15分ほど猫眠り。すっきりしました。

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千里浜へ向けて、TAKE OFF!!

今度こそ、LC4にほえていただき、上信越道から北陸道を急ぎました。今年も立山連峰がきれい!やがて指定道の駅・福光に着くと、時間はすでに18:00近く。全体の距離からすると福光から千里浜なんて近く感じますが、実際の距離ではそんなことはない!急がないと!!

焦る気持ちで千里浜を目指しました。以前に間違った金沢森本インターを無事にやり過ごし(ナビを見てると間違えますね。看板を良く見たほうが良さそう)。北に進路を取ることができた。高架上の国道をのと里山海道に向けてひた走る。間違えないように慎重に・・・

トンネルを抜けて、白尾ジャンクションのランプウェイを登りきると・・・一面黄金色!!2年前とたがわぬ世にも美しい夕景が目に飛び込んできました。その直後、割り込みのクラウンも飛び込んできましたが。

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見えた!能登の海!

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感慨無量で海沿いの海道を走ります。それぞれの冒険をクリアしてきたライダーたちが、同じ方向へ向かい抜きつ抜かれつしながら、互いを讃えあうかのようにハンドサインで挨拶して合います。対向車線からも、すでにゴールしたSSTRライダーたちがエールを送ってくれます。この日この時この場所限定の、SSTRの連帯感。

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対向車線からも手を振ってくれています。

二輪車たちはこぞって「今浜インター」で降りていきます。そして左に2回、右に1回曲がると・・・

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千里浜に到着、そしてゴール!

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遠くにたくさんのバイクの影が見えます。



 


ちなみにシステムに送った時点でゴールです、正式には。入り口周辺は大変混んでいるので、2キロぐらい先に行ってから登録しました。そして

サイコーの夕日をバックに撮影!

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指定の駐輪場に入ったところでゴール締め切りの花火。去年はまだ千里浜にいる時間に花火が上がり、横から見ました。はやとぅさんに「今年の花火は下から一緒に・・・」と約束したのですが、斜め下ぐらいから見る事になってしまいました。


そして仲間達が!

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のりまつがゴールする前に、こんな夢のコラボレーションが(のりまつ的に)!

この写真には間に合わなかったけど、ぼっちバイカーさん!MOSさん!秀吉さん!よっしーさん!なんとか、撤収してきたところですれ違い、握手できました!よかった♪

お待たせしてすいませんでしたが、うれしすぎて変にハイテンションになっちまいました(照 


ちなみに帰り道。松代で給油しようと休憩していたところ、黒いハスクのVITPILENが声をかけてきた?!なんとぼっちバイカーさん一味が!!

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黒黒コーデでワルさ倍増、映画の登場人物みたいでしたぞ!秀吉さんはアフリカツインかと思ったらはもなくMT-10で参加されていたようです。

 

 


セレモニーにて


翌朝も、約束したかのようにキレイな晴れ!!

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はやとぅさんは宿からバイバイ。残ったメンツで。

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今年もよく汚れました。だって、オフロードバイクなんだもん!


日差しが強い中、セレモニーが始まります。冒頭に、主催の風間さんがバイクの良さは何かと聞かれて言った答え。

バイクのよさは「自然」です。

と。多くは語らなかったけど、合点がいってスッと腑に落ちた。そういうことだった、確かに!
無粋にも文にするならば、バイクを楽しくするものは道。道は海や川や山と言った自然がレイアウトを決めます。そうしてできた道を、バイクで走る。すると、自然にある空気が肌をなで、山や川と一緒に曲がって登って下って、やがて海が見えてきたり。走ってるだけで、筋書きができてドラマができてくるみたい。単純に、バイクに乗って美しき天然に見えるだけでも充分。こちらも剥き身で、さえぎる物はありませんから!

バイクのよさは「自然」。解釈は人それぞれでしょう。でも、多くの人に合点がいく答えのような気がします。

 

毎回、名刺とかいろんな物を用意して参加される方がいますが、今年はこんな物をいただいちゃいました。

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来年参加予定の、兆太郎ことKLX250のキーホルダーにさせてもらいました。ありがとうございました!
 

 

 

 

そういえば前回、


>こんな風に、多くの人が、何かしらの不安を抱えてスタートするようです。そしてそれは、ゴールに近づくにつれ徐々に徐々に解れていき、やがて能登の海に出会った時、完全に解放されるのでしょう。

と書きましたが。実際、


ほぐれなかった。

 

今回はギリギリだったこともあります。前回はほぐれました。ほぐれすぎて余裕をかましすぎてギリギリになりました。その前は、やはりギリギリで、しかも色々問題があって焦り+ヒヤヒヤ。その前も、システムダウンでまともにゴールできるかわからずヒヤヒヤ。雨も降りそうだったし。
振り返ってみると昨年と初回参加の時だけでした、解放を味わったのは。

でも初回、と言うのがミソなのでしょう。あれを、もう一度味わいたい!来年こそは、来年こそは、と思っているのかも。

 

 


もう一つ気づいたこと。


グーグルマップを過信するな!です。うすうす感づいてはいました。目的地が遠ければ遠いほど、所要時間が短く計算される。これはシステムが悪いと言うことではなくて、人間の思慮が必要と言うことです。
遠くに行くには、休憩や食事が必要です。集中力の低下によってペースダウンも起きるかも。そういう人間臭い部分は、人間自身が責任持って考えないといけないのですね。

今回にしても、ダートの出口から千里浜まで、ナビ上では所要時間に50分の余裕がありました。しかし実際の到着は20分前。食事・寝オチ・給油でトータル30分かかったとしても、ペースだって急いでいたのでアゲアゲだったしもう少し余裕があっても良かったような。

もし、国道最高所に行っていたら間に合わなかったですね。思い切って諦めてよかった!!まあ、常識のある大人はこんな風に振り回されたりはしないのでしょうけど(笑)

 

 

 

卒業


人麻呂ことKTM690ENDUROでは、2016、2017、2018、2019と4年にわたりSSTRに参加して来ました。SSTRは、万能選手な人麻呂君にとって一番ポテンシャルが発揮できるイベントだと思っています。が、今回のイベントで45000キロを超え、そろそろ御老体。長距離で運用する作戦には不安が出てくる頃です。

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自宅に帰ってきたときのオドメーター

なので、人麻呂君はSSTRを卒業します。今後はオンオフ問わず、普通のツーリングを楽しむ予定。次代機が発売されるまで、できるだけのメンテはして乗れるだけ乗ります。

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ここまでよく連れてきてくれました。楽しかったね。

 

 


来年


そんなわけで来年は嵩屋天狗堂の主力マルチロール機、兆太郎ことKLX250で参加する予定です!それに向けて、現在ツアラー化計画進行中。また兆太郎に合ったルートを、すでに模索し始めています。2016年に諦めた岐阜の林道を入れてみようかな、とか。

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兆太郎ことKLX250。ビッグタンク化施工後。SSTR2020は始まっています。

 


まとめ


やっぱり、のりまつにとってSSTRは青春です。おととしも書きましたが、無駄が多くて何かとめんどくさいバイクだからこそ、冒険という物になるんでしょうね。海も山もいっぱいあって、海と青空もいっぱいあって。バイクの良さは「自然」!ゴールには仲間が待っている!そういうものをひっくるめて、青春してるおっさんのりまつです。

 


ではまた来年!

 

 


次はいつアップするやら。