のりまつ式・冒険の心得
いま現実に手にしうる、理想の乗り物・・・それはオフロードバイク。
自由な分、リスクがあります。どこでも行けるけど、行った道がやさしいとは限らない。むしろ厳しい道を選ぶような走りかたを、ついついしてしまうのがオフロードバイク。それに乗ること自体、すでに冒険の旅の始まりと言えます(?)
のりまつがこの旅(オフロード)を始める時、一番恐れたのがケガでした。ケガして仕事に穴を開けてしまったら、情けない。なので、いろんな手段を考えました。
①コケない技術を身に着ける。
②コケても被害を最小限にする。
③コケても泣かない仲間を見つける。
こんな視点で考え、行動してみた末の経験談を書いていきたいと思います。
①コケない技術を身につける。
独学というモノには自ずと限界があります。それは、客観的な評価を得ることができないため。そのせいで間違っていても修正されずそのまま「クセ」になってしまう。だったら、理論・実践・評価がワンセットになったスクールに行くのが近道!「慣れるより習え」です。
そんなワケで初めてスクールというところに行ってみました。色々調べて、実際のお山の中に入って行くクラスのあるスクールが見つかりました。
ツインリンクもてぎ│アクティブセーフティトレーニングパーク(ASTP)│バイクのスクール│オフロード
乗り始めた年に、ちょっと遠かったけど全部で5回ほど通いました。しかしこのスクールのおかげで、オフロードバイクが色々できることを知りました。
例えば、土手のような急坂を登る・階段を登るなど。また、リーンアウト走りも教えてもらいました。「登りきる直前でアクセル緩める」という鉄則を教わったおかげで、何度か命拾いしたことがありましたっけ。
今の所大ケガせずに乗れているのは、このスクールのお陰だと思っています。
②コケても被害を最小限にする。
つまりはプロテクターの装備です。今回のメインディッシュ。
プロテクターをしてもケガをしないわけではなく、ケガが軽くなる効果があると捉えるのが良いと思います。
骨折が打ち身・捻挫で済み、擦り傷で済む。擦り傷ならかゆい程度に、打ち身なら「いってー」で済む。そんな感じです。
オンをソロでしか走っていない時はほとんど気にしておりませんでしたが、コケる前提ともなれば話は別。プロテクターは装備しようと心に決めていました。コミュニティのキャッチコピーが「こけても泣かない」ということもあります。
どんなプロテクターが必要なのか。こんなサイトを参考にしました。
ケガをしやすい・・・肘膝肩
死亡しやすい・・・頭胸背中
「ケガしやすい部位」と「死亡しやすい部位」とで読み方を替える必要がありそうです。とはいえケガも死亡もしたくない。うん、全部必要!
それと、どのサイトを見ても「オフロードブーツは必要!」とあります。うーん、お金かかりそう。
下から順番に。
オフロード用ブーツ
転倒時に足がバイクの下敷きになることがよくありますが、この時にオフロード用ブーツがあれば守ってくれます。たまたまオフブーツ履いてなかったときに転んで、足の先の方を骨折してしまった人もありました。
脛とか足首が硬い部材で固められており、バイクに横倒しに乗られても大丈夫。あと、木の枝とか石とか、ガンガン当ってくるのもこれがあれば全く気にせずいけます。
オフロードブーツには私の愛用するガエルネでは、競技の種類で3つぐらいのカテゴリーに分けられていました。
①モトクロス用
速度が高い競技なので、防御力重視!イン側の足を出してターンする為か、靴底は滑りやすくなっていたりかかと部分が上に向かって角切りしてあったりします。
②エンデューロ用
エンデューロはいろんな形態があるようですが、ここでは森や山の中に設定されたクロスカントリー的なコース、いわゆるガレ・荒れ・ゲロ(特に定義はないようです。とにかく車両が通るような状況ではない道)を、競いながら走破するようなイメージ。バイクを押したり引いたりする事も頻繁にあるそうで、動きやすさも求められる為に工夫されたカテゴリーのようです。私の周りではこのカテゴリーの「EDプロ」というブーツを使用している方が多いです。
③トライアル用
スピードは出ないので防御力は弱い。しかしコースは岩場や道なき道であり、ここを下見する(慣熟歩行)ため、滑りにくい靴底で歩きやすく作られています。シフトチェンジもしやすい。
私は始めてのブーツなので一番柔らかいトライアル用にしました。始めは固いと思いましたが、なじんだ今では山登りも出来そうなくらい柔らかいです。
ガエルネにしたわけは、エンデューロ用のEDプロを履いてみた時、足が吸い込まれるようにフィットしたのが好印象だった為です。どうやら日本人向けの足型で作っているそうです。修繕の効く構造であるのと国内にリペア工場がありフォローが早いのもガエルネの魅力と思います。
とは言え、やはり実際に履いてみるのが1番!どこで履けるのよ?関東近郊なら、こちらを参考に↓↓
ちなみに私はナップス埼玉で履いてみました。鎧とジャージのフィッティングも、図々しくしちゃいました(^_^;)
膝のプロテクター
プロテクター単体の物は、大きく分けるとこんな感じ。
・膝のみ
・膝脛、いわゆる「ニーシンガード」
・膝の上下すっぽり覆う「ニーブレース」
私は始め、膝のみのもの(コミネのモノ)を購入しましたが、ブーツと膝プロテクターの隙間が出来てしまい、肝心の弁慶な部分が隠れていない。というので、ニーシンガードを買いなおしました。
ズボンのすそはブーツにインしますが、ついでにニーシンもインします。
この方が安定して好き。ただ、ガードが丸出しでスマートさにかける。でもでも、こけても服にダメージがいかないんです。
ただでさえズレがちな外付けプロテクターですが、こうする事である程度安定します。私は今のところ、転倒してもプロテクターがズレてけがをしたことはありません。全部防いでくれています。おかげでプロテクターは傷だらけです。
上のブーツインの写真は納品直後、下のは現在の姿。ベルトはビロビロですが、ぶった切って短くしてホッチキスで止めれば全然使えます。ただ、ベルクロそのものがダメになると、修復が大変かも。現在は同僚に譲っちゃいました。
しかし最近思うところがあり、ズボンの中に装着するタイプに変更しました。そしたら、服がよく破けること!やっぱモトパンにしようかな。ちなみにパンツはDICKIE’S874を愛用しています。
敢えて丈を短い物にしています。その方が、ブーツへの収まりがイイのです。
膝のプロテクターの他の選択肢として、プロテクター入りのオーバーパンツを履くのも手です。
冬はとても暖かく、寒さ知らず。もっさり感がすごいので動きにくいですが、こういうのをはいた状態で氷の上でコケて、無傷でした♪
よく、プロテクターと称する柔らかい何かが入っている物がありますが、硬いプロテクターじゃないと意味ないかも。後述するジャケットについても、コミネ以外の商品はほとんど柔らかいものが装着されていますが、だいたいの場合は固いものや「CE規格」に批准した商品が用意されてる(別売り(-_-;)ので、交換した方がいいかも。
ただし柔らかいモノでも、HYODさんちのD3O(普段はたるんたるんだけどショックを受けた瞬間だけ固くなる)は・・・ワタシ自らコケてみて、大丈夫であったことを確認いたしました(^^;擦り傷だけで済み、膝の骨は無事でした。重いのと高いのが難ですが。
肩肘胸背中のプロテクター
・プロテクター入りのジャケットを着る
・鎧を着る
だいたいこの2者だと思います。
私は冬と通勤では3シーズンジャケットです。
固いインナープロテクターが内蔵されています(脱着可)。暖かい季節はインナーを外してベンチレーション全開すれば、ある程度涼しいです。でも真夏はダメ。
鎧は、メッシュにプロテクターが縫いこんであるものと、ホントに鎧然としたもの。
また鎧は、袖なしの胴丸タイプやブレストプレートのみで脊椎は別に装備するタイプもありますが、私は肩を防御したいのでこれらは選択肢に入りませんでした。品種は豊富なんですが(^^;
体幹のプロテクターを選定する上で必ず迷うのが「夏」の事。暑いのにプロテクターなんて着けてられない。じゃ、夏はこけないんですか?事故らないんですか?そうです、夏でも2輪車に乗っている以上は無縁ではない。やはりジャケット内蔵式か鎧を装備する必要があります。
ジャケット内蔵式について。バイクに乗らない人は知らないと思いますが、夏ジャケットは実は涼しい。ヘタすりゃ半袖よりも。風は通して日陰を作ってくれるので、よしずの影みたいな感じですね。固いのが入った夏ジャケを着れば涼しくて安全、いいことづくめ!ただ、風が吹かなければ涼しさ半減。ま、コレは仕方ないですね。夏は暑いものですから。
しかし林道では、意外と体を使います。なので体が熱くなる。それでいてスピードは高くないから風が抜けず、水冷式人体と空冷式ジャケットを持ってしてもオーバーヒート気味になりそうです。鎧も、インナータイプもアウターに着けるタイプも暑いことには変わりないしムレそうだし・・・
そこでいろいろ調べてみたところ、鎧を使ったナイスな方法が。
本来アウターに着る鎧を、敢えて服の下に着る。そうすると風が通るし密着しないし、なかなか涼しい。鎧の下にTシャツ着れば、吸汗もOK。
ちなみに私が使っているのはトロイリーのモノ。
ちっと高いけど、他社のモノより肩の守りがいいのと、比較的インナーに着込みやすい丸い形状が決め手でした。教習所っぽいのを気にしなければ、上のコミネのモノがベストという気もします。
これの上に着るのは、オフロードジャージが断然オススメ。
風通しの良さはハンパないし動きやすくて丈夫。大きめのサイズがいいですね。先ほど挙げましたが、お店に行くと鎧もジャージも置いてあるので、図々しく合わせてみちゃうのがいいと思います。ナップス埼玉では試着させてくれましたよ。現在、夏のツーリングはオンオフ問わずこれで決まっています。
ちなみに鎧の場合、肘は別個に着けています。
これは着脱がちょっとめんどくさい。そしてズレやすい。肘から下がってしまう気がして、いつも気にしています。が、コケた時はいつも守ってくれます。すでに数えきれないくらい、守ってもらっています。ホントはズレを気にしなくていいのかも。ベルトが伸びるのはお約束(^^;
首
冬用にコミネさんのジャケットを使用していますが(上に挙げた「カエサル」)、これ、首にネックブレースがつく構造になっています。迷いましたが、首は「死ぬ部位」で上位にランクインしているので使ってみることにしました。
これは、転倒や衝突時に首が後に折れるのを防ぐ物みたいです。前の2本のベルクロを調整して、首折れしないあたりまで引っ張って調節して装着しました。
数ヵ月後、
ジャケット側の引っ掛けが千切れました・・・こんな細い紐を信用したのがバカでした。その後も工夫してしばらく着けておきましたが、重いので外しちゃいました。
頭
ヘルメットは被ります。当たり前ですね、日本では。カッコいいし。
オフロード用ヘルメットの特殊な形状の謎を追ったことがありました。
まず突き出た顎。諸説ありましたが、私見としてはオン用と比べてみて呼吸が断然楽!普通のツーリングでも、ダートを走る時はこの形状でないと息苦しい感じがします。競技する人はなおさらでしょうね。
次にシールドがないこと。通風と呼吸の為かと思います。ちなみに私のはARAIさんちの「TOUR CROSS3」で、シールドが付いています。雨の時とか便利で冬も寒くありません。
でも、シールドレスの本物のオフメットの方がデザインもとんがっててカッコいいし、あこがれています。
そしてバイザー。先行車に後塵を浴びせられる時のガード用みたいです。これがあるからカッコいいんですよね♪でも、高速道路では、ただでさえ直立して風を全身に受ける上、このバイザーが風にあおられ疲れる。幸い私のはシールド付いてるし後塵を浴びせられるシチュエーションになる様なことはしていないので、去年のSSTRの時に外しちゃいました。
以後、そのままですが特に不便は感じていません。
番外編
背骨は、頭蓋骨の下から尻の割れ目あたりまで伸びています。が、ジャケットや鎧では第2腰椎ぐらいまでしかカバーしてくれない。第3腰椎から尾骨までをカバーをしたいと考えました。
コミネ製・スゴめのサルマタ。仙骨部と太股前部外側に固いカップ、尻っぺたと腸骨に柔らかいパットが付いています。メッシュで暑く感じることはありません。
これで下半分はOK。上半分は・・・
腰ベルト。 固いゴムみたいな板の付いたヤツ。そんな防御力は期待できないけど、布よりは、ね。着けててだんだん上にズレてきちゃうんですけど、腰痛予防にはいいかも?!
グローブ
私はバイクに乗れなくなるよりギターが弾けなくなるほうが辛いので、手のガードは必須です。拳に固いの、掌にスライダーは欲しい。でも、指のところが段々になっているヤツは、スタンディングの時にレバーやナックルガードに引っかかり邪魔なので無い方がいい。
そしてスマホは外さないでいじりたい。この選択肢でいくと、自然とコミネに・・・いかん、このままではコミネマンになってしまう!でも、プロテクターを考えた場合、痒いところに手が届く商品があるんですよ、コミネには。安いし。ただ、デザインが、うーん。垢抜けないというか、絶妙に外してくるというか。好みの問題ですが(^^;
でも、昨年の夏グローブはコミネ以外の丁度いいのがありました!デザインも気に入った♪KTMならオレンジだしKAWASAKIなら緑。でもウチの兆治は白黒金。こんな時は、グレースケールで!
ちなみに冬グローブは・・・
コミネ(///▽///)
以上、長々とプロテクターについて、私見偏見経験則で書かせていただきました。私の迷った経緯が、誰かの役に立てばよいと思ってアップしてみただけですので、プロテクターの選定は自己責任で。
③コケても泣かない仲間を見つける。
戦場にあっては孤軍で奮闘するもよいけれど、単独行は受傷時の対応が限定されてしまい生還率も大幅に下がるとされています(根拠なし)。
そこで仲間を探します。お決まりの酒場へいくと・・・ってのはゲームの世界。リアルでは、やはりネット頼みです。
「オフロードバイク 北関東」で検索してヒットしたのが「北関東林道ツーリングクラブ」といったコミュニティ。DeNAの運営する「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」というSNSに設置されていました。これは後で知ったのですが「趣味人」はシニア向けのサイトであった模様。ユーザーの平均年齢が高く、私などは若造の部類でした。
コミュに入会申し込みをすると、冬場であるにもかかわらずツーリングイベントが企画されていて、早速参加させていただきました。以後、ここで知り合った人たちと、オン・オフ・キャンプなどのツーリングを楽しんでいます。
ツーリングを共にする中で、パンクやオイル漏れ、転倒ケガなど様々なトラブルがありました。そんな時、お世話になったり協力したりしながら、なんとなく「仲間(目上の方ばかりですが)」と呼びたくなるような感覚を持つようになっています。
パンクの時に助けてもらうの図w
コレのおかげで、マスツーも楽しめるようになりましたしバイクの世界がものすごい広がったのでした。
剣技も習い、装備も調え、パーティーも編成した。あとは実戦で学ぶのみ!
それでは、よい旅を。