嵩屋天狗堂~はてな支店~

オフロードバイクアリマス。

行き倒れた旅人の顛末記。

暑い日の続き。


人麻呂ことKTM690ENDUROは、信号待ちの前後でエンストしやすい機体です。色々対策してみましたが、軽減はしても解決はしていません。
norimaz.hatenablog.com

トラブルのあった日は猛暑の中ストップの多い都内を走るといった特に過酷な状況でした。


エンストしないようアクセルを入れた瞬間、「ポン!」と大きな音を立て停止。同時にうす黒い煙が一塊、風に流されていきました。


再始動を試みるも、過日の兆治(スーパーシェルパ)のように、かかる気配が全くない。しかたないので歩道に上げ、とりあえず冷ます事にしました。なかなか始動せずにポンポン言うことはこれまでにもあったし。

15分ほど置いて再始動・・・「キャキャキャキャ・・・ポン!」


こりゃマジで逝ったか・・・だって、ポン!からの黒煙一塊ですよ。マンガならぜったい逝ってるパターン。



困り果て、購入先のレッドバロンのサービスへTEL。工場長に症状を説明し相談したところ、スロットルボディの接続を確認するよう助言を受けました。

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車体左側から見た写真。緑の丸の部分の接続を確認すべし!

くっついてて当然の部分ですが、始動し損ねてポン!と言ったときに、吸気側に吹き返し、その勢いで外れてしまっている可能性があるとの事。
確かにいつもポンポン言う時は、エアインテークのあるシート下に衝撃が来ます。今回は特に吹き返しが強くて、スロットルボディをつなぐホースを抜いてしまったのでは、とのこと。なるほど、その線かも!!


ぱっと横から見たところでは抜けていないように見えました。ヘッドとスロットルボディの間にも隙間は確認できません・・・が、角度を変えて斜め前から見ると、何か不自然な印象。
密閉されてきちんと接続されていれば同心円状に見えるはずなのに、三日月形の部分を発見。
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写真はしっかりハマっている状態。赤丸の部分の円弧に三日月型の隙間が見えたのでした。

そう、スロットルボディとヘッドをつなぐゴムが抜け、少しずれた状態で安定していたわけです。かなり疑って観察しないと、素人の私には発見できないほどのモノでした。

この隙間から不正に空気を吸っては吐き出していたわけですね。ヘタに始動してたら極薄の燃料でヤバイ燃焼しちゃったかも。キャブじゃないから大丈夫なのかな。


この日は工具を持っていたので、すぐその場で修復。と言っても、ホースバンドを緩めてゴムをしっかりはめ込み、ホースバンドを締めただけ。マイナスドライバー一本でカタがつきました。ゴムをはめ込む時、充分力を入れることが出来ずちょっと難航しましたが。



祈る思いで再始動。すると・・・かかりました!よかった。工場長に℡し、経過報告とお礼を伝えました。すると、かかりにくさとエンストしやすさについて、フューエルワンを試すことを勧められました。はて、どこかで。
www.botti-bk.com

お礼も兼ねてレッドバロンに寄って、添加してもらいました。うん!エンジン、スムーズな感じ!・・・ぐらいかな。繰り返し使えばきっと色々よくなるさ!



そういえば、ここでも原因は「つながってなければ機械は動かない」と言ったことでした。そそっかしい人はよく自己覚知をして、トラブル時は冷静に対応しましょう。

お前に言われたくない・・・?




ですよねー(^^;)

旅ごっこ中、行き倒れ?!

暑い日でした。


まだ季節は梅雨明け宣言も済んでないのに、気温は30度を軽く超える暑い日でした。


こんな日に私は、人麻呂(690ENDURO)と都内にいました。豪徳寺やら霞ヶ関やらを徘徊したあと、日本橋へ。
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ここから、人麻呂では初となる中山道踏破の第一歩を踏み出すことが目的。


中山道とは、江戸時代に成立した、江戸を中心に放射状に伸びる五街道のうちの一つで、江戸から武州・上州・信州・濃州を抜け畿内に至る、いわば東海道と対を成す山間ルートです。宿場の数は67、総延長は500キロを超えます。


現在で言えば、国道17号・18号・19号辺りのルートとなるのですが、それとは別に、現存する本物の旧中山道があるのです。


たとえば都内なら、板橋区の志村の坂を通る17号が現在の中山道に当りますが、本物は志村坂上駅周辺の五差路の、交番のある細い坂道を下るのが本当の中山道
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こちらは「清水坂」といい、道中で左側に赤城山が見える珍しいスポットだったのです。

信州に至れば、木曽路は有名な奈良井宿。今はトンネルを抜けて簡単に次の藪原宿に至る事ができるのですが、本当の中山道は峠を越える登山道の方。オフ車なら充分行けちゃうルートですが、モラルを守り侵入はしてはいけません。その代わり迂回するルートが8キロばかり、いい感じのフラット林道が楽しめ、途中の峠では旧道と合流し、茶屋跡で昔の面影を楽しむことが出来ます。
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岐阜市内や恵那市では、「枡形」と言って、大軍の進行を妨げるために、あちこちが90度ないしそれ以上に屈曲しており、ところどころ一方通行でまともに通行できない箇所が多くあります。
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知らなければただの路地にしか見えないようなところが、実は昔の1級国道。


そんなわけで、中山道を辿るというのは、本来なら歩きでしか踏破できない事であり、見方によってはとてもロマンのあるものなのです。


しかしのりまつは社会人なので、歩きで500キロを踏破する時間もないし体力もありません。そんな時に便利なのがオフロードバイク。先述のようにダートもあれば階段もあり、人一人しか通れない場所もあれば押して歩かなければいけないところもある。軽くて道を選ばないオフロードバイクは、当時からすれば馬のように便利な乗り物なんですね。



話が逸れましたが、今日は都内の中山道を辿ります。



日本橋を北上し、中央線のガードに突き当たる所まで行きます。昔はここに筋交橋があって外堀の向こう側に渡れたらしいのですが、今は無いので昌平橋へ。渡ってすぐ左折→右折→左折。この間ぜんぶ信号待ち、人麻呂のファンは回りっぱなし。あちい。

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神田明神を右に見て、門前の「天野屋」から右斜めに入る路地が中山道
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そこに行くとすぐに突き当たってしまい寸断されているので、元の道に戻ろうとする(青い矢印の方)も・・・一方通行。
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こんな時は。押して歩く!ほーら、あっという間に歩行者になりましたよ♪


そのまま北上し、東大正門を過ぎた辺りで「国道17号」の案内どおり左折。東洋大の前を通って白山通りに合流すると、まもなく巣鴨の地蔵通りへ。ここも中山道、しかし歩行者天国!またまた歩行者に変身!今度は長い道のりなのでジャケットとヘルメットは脱ぎました。

途中にある「みずの」で塩大福を買って、更に押して歩きます。
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「とげ抜き地蔵」こと高岩寺門前、朝顔市がさわやかな江戸の夏。

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庚申塚の駅辺りからはまたライダーに戻り、中山道第一宿、板橋宿まで。


JR板橋駅の北側の踏み切りは、「中仙道踏切」といいます。JR東日本では一番初めの中山道を横切る踏切。この後「第2」「第3」と続いていきます。
ちなみに標記で「中山道」が国交省の正式なモノ。コレを決めたのはなんと江戸時代の新井白石であるとの事です。JRがなぜ「中仙道」と標記するのかはわかりません。
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写真は板橋の地名の由来となった「板橋」。仲宿にあります。


さて板橋宿を過ぎて一方通行や陸橋下をくぐるのに何度か押し歩き、先出の清水坂を降りると、ようやく戸田橋すなわち江戸の出口。江戸時代は「戸田の渡し」だってそうな。


さて、今日の中山道散策はコレまで。


というのも、



人麻呂がもう、暑がっちゃって限界。っていうか、ファンが回りっぱなしで熱風をすべてライダーに吹きかけるので、こちらが参っちゃう。信号待ちが多いんですよね、都内は。やはり夏にこんなことをするのは無謀でした。また冬に、埼玉編を続けようと思います。



さんざん暑気に当てられ、ヘロヘロな人麻呂のLC4エンジン。信号待ちからのスタートの時、一瞬オチそうになる悪い癖が出てきたので、ギアを入れる前にひと吹かし。その瞬間、

「ポン!」

と音がしてエンジン停止。






・・・人麻呂よ、お前もか!




つづく。



長くなったので(^^;

ハイゼットカーゴasトランポ。

今回のシェルパのトラブルで活躍したのは“HUSTLE JANITOR(通称「じゃに君」)”こと「ハイゼットカーゴ」という軽自動車でした。

ワンボックス型の軽自動車。用途や内装で「貨物車」「乗用車」に分けられます。このうち貨物車を「バン」と言いますが、おおざっぱに「軽バン」って呼んでます。

軽バンなんて、見た目はハイゼットもアクティもミニキャブもサンバーもエブリィも区別なんかつきゃしません。でも違うんです。

各社の名機に触れていきたい所ですが、今回は特にハイゼットカーゴについて。トランポにするなら・・・って話です。



のりまつのハイゼットカーゴは「クルーズ」という上級グレードで、リアシートをたたんだ時に数センチ高くなってしまいます。
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↑クルーズ
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↑クルーズ以外(無断借用失礼。ホントはクルーズをキレイにフラット化している状態ですが、参考までに。)
この差が絶妙にダメで、タイダウンを余儀なくされました。

あと天井の内装も厚くなっているようなので、「クルーズ」以外のハイゼットカーゴならもっと余裕で積めると思います。
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↑クルーズ
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↑それ以外。

この違いで、カタログ数値では25mmの差が出ています。ちょうどハンドルアップスペーサー分ぐらい。
余談ですが、クルーズにも「ビジネスパック」というオプションがあり、荷室のスペースアップが図られたモノがあります。中古でお探しの際は、天井とリヤシートをよく観察してくださいね。


ちなみに「アトレーワゴン」は「ハイゼットカーゴ・クルーズ」に準じています。


また、軽トランポのオーソリティ「スバル・サンバー」ですが、現在新車で購入する場合はハイゼットカーゴと同じ車体になります。
www.subaru.jp

↓コイツが最後のスバル製
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中古でしか手に入りません。しかもタマが少なくあっても高額・過走行。出会いがあったら早めにツバ付けた方がいいかも。

一見不格好なキャブオーバーですが、タイヤハウスか足下に張り出していないので広い!ヒール&トゥもしやすいし小回りも利くので、いいなーって思います。
ちなみに現行で1番広いのは、たぶんスズキのエブリィです。


ハイゼットカーゴも充分広いし、1番スタイリッシュだと思うんですよね!
それにシルバーの軽バンって、どんなところに入っていってもイヤな顔されない。「ご苦労さまー」ってな感じです。あおられてもバトる気にならないで済むし、なんだかすべてが大らかになります。



小さな軽で、大きく積めて、気持ちも大らかに。

軽バンは素晴らしいです。

スーパーシェルパの反逆・完結編

兆治が起きてくれなくなりました。
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現時点で確認できていることは

・マフラーから燃料臭い排ガスは出る→ガソリンはある程度供給されているみたい。
・セルを回すとプラグホールからポンポン言う→圧縮はある程度確保されてるみたい。
・コードとプラグを新品にしても火花が飛ばない→コイルから奥の点火系に問題がありそう。

といったこと。

こんな症例、他にもあるのか「スーパーシェルパ プラグコード」でググると、メカの得意そうな人が同様の症状に困っている記事が。
見てみると、簡易的な検電器を当てたり自作のテスターで原因を突き詰めていったものの、結局原因に辿りつかず買い替えになった模様。


・・・買い替え?


シェルパを?


・・・何に?



・・・



・・・



・・・そういうの考えるの、





楽しいですよね♪




何を妄想したのかは置いといて、兆治の続投に希望をかけないと!



最悪の事態を想定しながら、購入元のレッドバロンへ。いつもならここで取りに来てもらうところですが、ウチには今「じゃに君」ことハイゼットカーゴがいます。
ただハイゼットカーゴに載せたことがあるのは、全高全長が一回り小さい旭龍ことKLX125。上手く載るか試してみたところ・・・
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載りました!しかし天井にハンドルがつっかえて、積載後の取り回しができない!兆治はハンドルアップスペーサーを咬ましてるから余計にキツいのかも。

仕方ないので軽くフロントサスを縮めました。こうすればなんとか取り回せ、車体を斜めにすればしっかり積載できました!いやー、一件落着!



・・・してません。これで運び込むとしても、修理にいくらかかるのか。イグニッションコイルやステーターまでの交換となったら6万円はいきそう。


展示されてる車両を見ながら検査の結果を待つ。KDX250があってひときわ目を引く。やっぱカッコいいなぁ、KDX。その隣にはKLX250のファイナルエディション。でもこれ690EDと同じくらいの重さなんだよな。KLXならやっぱその前の型だよな・・・



なんて妄想してたら



工場から兆治の排気音が!もう治っちゃった?!


サービス氏曰く「キルスイッチですね。」と。

キルスイッチがoffになってた・・・というような「あるある」ではなく、接点不良だとのこと。何かのケミカルで接点復活し、なんとか起動。長いこと火が入らなかったエンジンは、機嫌悪そうに回っている。でも良かった!走ってやればそのうち機嫌を直すさ!

ちなみに修理のお代は3000円でした。よかったよかった(^^;)


機嫌といえば、兆治ほど機嫌の善し悪しがあるマシンもいません。
他のマシンの事に頭や手間が行ってると、決まって不具合を起こすんです。もちろんたまたまですけど、何か意思があるように思えてしまうほど、タイミングが絶妙。でもいつもなんとか復活してくれます。

今回も、なんとか復活してくれそうです。レッドバロンの前でしばし試運転し、安定してきたので再度じゃに君に積み込み持ち帰りました。


自宅について下ろしてから、念のため残しておいた余分なプラグコードを切る作業に入ります。
タンクを外して、コードを切って、またタンクを戻す。そして試運転で近所を徘徊・・・するとまた「ヴヴヴ・・・」とエンスト。


・・・マジ?さっきは動いていたのに?!やっぱただの接点不良じゃなかったんだ!6万円コースだ!いや、代替えか?!そもそも3機体制を続けるのか??


などと押し歩きながら妄想。ふと、さっきタンクを外したことを思い出す。雑なのりまつは燃料ホースを外さずに最小限持ち上げて作業したのですが、もしや。



そうでした。燃料コックまわりのホースが抜けていました。
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この赤丸のところに三又があるのですが、これが抜けやすい。悪くすると転倒とか振動で抜けるかもしれないので、シェルパ族の皆さん、気をつけましょうね。

今回はタンクを外した時に取れちゃったんですね。つまり、今のエンストは単なるガス欠。もう、目も当てられません(つд`)



まとめ


シェルパキルスイッチが接点不良を起こすことがあるみたい。点火系トラブルシューティングでは、プラグから見て段々制御系にむかって原因を潰していくんですが、キルスイッチは盲点でした。

・タンクを外した時は、配線の挟み込み以外にも燃料ホースの抜けを確認する。ま、常識なんでしょうけど、ズボラなのりまつには敢えて確認が必要な事。

上2点から、「機械は繋がってなければ動かない」という大原則が身にしみました。
逆に言うと、動かなくなった時は電気・空気・燃料のどこかが繋がっていないことを疑うべき。全て繋がってて動かない時は、中身の問題と言うことになるでしょう。
もっとも電気の「繋がってない」は出先では確認できないし、切れた部位を探すのは森の中で落としたナンバープレートを探すぐらい大変な事ですが。




そんなわけで、もったいぶった割にフツーのハッピーエンドでした。今日も通勤でまたがりました。ついついスタンディングしたくなるのは兆治だけ。メーヴェに乗ってる気分になるのです。
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うん、やっぱ楽しいよ、シェルパも!

どうしたんだろう。

スーパーシェルパ「兆治」と遊んだ日々

 

611日はいつものみんなで、今年初の栗原川林道ツーリングでした。新緑が気持ちよく、路面もフラット具合と湿り具合が丁度いい。天気も最高でとにかく気持ちいツーリングでした。

 

 

その時に駆ったのは兆治ことスーパーシェルパ。このところ旭龍ことKLX125の仕様変更とチューニングや、人麻呂こと690ENUDUROフェンダーレス化などで余りかまわない状態が続いていました。

 

 

旭龍の楽しさは先日のレースレポートでお話したとおりですが、200km以上のツーリングとなるとやはり兆治の250ccエンジンは丁度いい。それに、やっぱり林道だって兆治は楽しく走ってくれるのです。それが今回のツーリングで再確認できたのでした。

 

 

その後も旭龍と交代で通勤で使ったりでボチボチ乗っていたのですが、ある日の夜、突然それは起きました。

 

 

 

 沈黙

 

明日、起動する予定があったので、調子を見ておこうと兆治のセルを回すと、いつもより軽く回る。

・・・嫌な違和感。セルが元気というより燃焼室に何の抵抗も起きていない感じ。

そしていくら回しても生ガスを噴くばかりで一向にエンジンがかかる様子がない。

 

youtu.be

ただ事では無い予感を抱きながらも、夜も遅くなりかけていたのでその日は諦めました。

 

 

数日後、仕事が早めに終わった日の夕方、とりあえずプラグ外しにかかりました。シェルパのプラグ外しは、ちょっと大変なのです。

 

単気筒のプラグというとこんな感じ。

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手がすぐ届きいつでもぽんと外せます。

 

が、シェルパの場合・・・

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この奥。ちなみにタンクは外した状態です。外さなきゃ作業できません。こんな風にくぼんでいれば当然、ゴミ溜めに。わかりにくいけど、虫の死骸とかもあるでよ。

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なので、まず掃除をする必要があるのです。コンプレッサーがあれば吹き飛ばしながらでいいのでしょうが、嵩屋天狗堂にはそんな備品はありません。なので、吸い込みます!

 

 

コレを使って、 

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こう挿して、

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掃除機で吸うべし!吸うべし! 

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いくらかきれいになりました。鋳物の壁にこびりついた土くれもできるだけ削りながら、何度か吸います。屋外で派手に掃除機を使うので、夜間はできないんですね、近所迷惑で。

 

で、いよいよ外しにかかりますが、ある程度緩めたところで再度・・・吸うべし!

 

というのを何度か繰り返し、ようやくプラグを抜くことが出来ます。

 

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こうしないと、燃焼室にゴミが乱入し最低なことになることが考えられますので。この構造、何とかなりません?

 

ちなみに純正のプラグコードには下向きの傘がついていて、ゴミの侵入を防いでいます・・・が、オフロードなめてんの?そんな傘で巻き上がる砂塵を防げるわけなかろうが!「砂塵を拝しないよう、常に先頭を走れよ」という考えなんでしょうか、オトコ・カワサキ。それに純正のプラグコードは、雨の時にリークするので有名なのです。雨の日にエンジンストールする症例を頻繁に見受けます。NGKの黄色いコードで解決するので、お悩みの方はお試しあれ!

 

 

さて、無事にプラグが抜けたところで、セルを回してみます・・・すると、やはりプラグから火花が飛んでいない。プラグの穴からはポンポンと混合気が噴出しているので、圧縮が抜けているわけではなさそう。プラグコードを触っていると、コイルからスポッと抜けちゃった?!あ、ここがちゃんと繋がってなかたっから??抜けちゃうってことは劣化してるんだし、交換しよう。ついでにプラグも。この日はここで終わり。

 

 

翌日、プラグとコードを買ってきてさっそく接続、セルを回す・・・しかしやはり火花は飛ばず。

 

 

 

 

 

なんだよ兆治、起こしてるんだから返事しろよ・・・

 

ついこないだ、元気に走り回ってたじゃないかよ。

 

一緒にヒルクライムして、仲間と3人で横になった写真撮ったじゃないかよ。

 

まさかあれを・・・遺影にしろとでも言うのかよ。

 

 

 

・・・答えろよ!

 

 

 

 

心の叫びもむなしく、セルが無駄に回るのみ。兆治との思い出が走馬灯のように胸をよぎるのでした。

 

 

 

 

つづく(///▽///)

泥んこ王に、オレはなる!~泥んこ走行会参戦記~

のりまつ史上初のオフロードバイクのレースに参加してきました。カテゴリーとしては「エンデューロ」に該当すると思われます。
http://hpo-japan.com/2017doronkoregulation.pdf

参加台数は100台、1台に複数人のエントリーがあるので、人数で言ったら200に迫る数でしょう。この中でのクラス分けがあります。大まかに

A:250cc超で排気量制限なし
B:125ccぐらい~250cc
C:50~110cc
ビンテージ:1980年以前の2本サス
レディース:女性のみのチーム
ファン:スクーター・ロードバイクなどおよそオフロード走行に向かない車両

私達「チーム旭龍」はBクラス。ライバルはCRF150(レーサー)、KDX200(2st)、XR250などなど。同じクラスか、これ?って感じで絶対不利です。まあ、遊びだしいいんですけど(笑)
今回お誘いいただいたTロさんは、お仲間とビンテージクラスに参戦。マシンは古い2st「MT50」。
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Tロさんいわく「始めのギャップで手首を捻挫する」ほどのサスペンションらしい。あっという間に底突きしちゃうみたいです。


スタート前

さてここでチームメイトのYYさんと作戦会議・・・というか、「どっちが先に走る?」という相談しただけ。スタートの緊張感を味わいたいということで、のりまつが先行となりました。なにぶん体力に自信がなく、ヘロヘロ状態で無理すると怪我するので2,3周で交代かなーなんて話をしておきました。
コースは1周4キロほど。川原のコースですが意外とアップダウンがあり、サンドセクションもあるとか。毎度のハイライトであるらしき「沼」は、今回は乾いていて単なるステアケース(大きめな段差)になっているとの事。ホッとしたような残念なような。

スタートは、エントリー順につけられたゼッケン番号順。「チーム旭龍」は24番でした。
草を刈り分けて作られた、いわゆるホームストレート的な場所に順にバイクを並べます。
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そしてルマン式スタート・・・つまりドライバーは別のスタートラインに並び、スタートの合図とともにダッシュして乗り込みエンジンをかけ走り始める、といった方法。
しかし・・・スペースが狭すぎてライダーのスタート場所が見当たらない・・・狭いホームストレートの周囲は2メートルほどの草が伸び放題。どうすんのこれ?
と思ったら、北側の草薮の向こうにまた草を刈り分けた場所があり、そこがライダーのスタート場所との事。スタートの合図とともに高さ2メートルほどの草薮を蹴り分けながらマシンのところまで行き、スタートする・・・という事。
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そんなのみんな嫌なので、みんなで協力して草薮の中に道を作り始めました。
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草レースって、そういう意味??いろんな意味で、草なレースですwww

しかしのりまつにとっては初めてのレース。緊張しないわけがありません。今朝も緊張のあまりお腹を痛くして、集合時間に遅れてしまったのでした。
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スタート前

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↑↑緊張のあまり雲竜型を取るのりまつ

スタート!!

ふざけてたらもうすぐスタート。日章旗が振り下ろされたらスタート・・・のはずが、隊列が長すぎて見えない。見える場所にいたTロさんが合図を出してくれたので、それを見てダッシュ!
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バイクに跨りエンジンスタート!いいぞ、セルモーター!楽で早くて確実!かっこよさを犠牲にしているだけの事はある!

路面のコンディションは固く乾いた感じ。たくさんのマシンがホコリを巻き上げ、路面が見えない!慣熟走行などというのもは一切なかったので、前を走るマシンにとりあえず追随してみましたが・・・良く見るとTロさんのお仲間のEもさん?ベテランMXファイターでもあるEもさんについていけるならラッキー!マシンの差でついていくことは難しくないし。
順調についていき、ようやく隊列もバラけて視界が確保した頃、何の変哲もない右コーナーでバランスを崩し転倒!まだ半周もしてないのに。

気を取り直して再スタート。ずいぶん後れを取ってしまった。

1周目は何故だかショートカットルートでサンドはなし。沼のステアケースも難なく乗り越えました。
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ここはギャラリーポイントでもあり、Tロさん、YYさん、同行してくれているびわみかんさんが大きな声で応援してくれました。応援って、不思議と本当に元気出るんですね。嬉しいモノですねえ。
こうして無事に1周目を走りきって2周目突入。ホームストレートでまた先ほどの3人が応援をくれます。「いいぞ!のりまつ!」って、普段はさん付けなのに呼び捨てで応援されて、スゴイぐっと来ました。少し年上で面倒見がよくて、お兄ちゃんみたいな人たちです。あなたたちのためなら、のりまつは妹にでもなりますぞ!!
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2周目にはいよいよサンドセクションがあります。砂地は初めてではないですが、いざ飛び込むと前に進まない!勢いが消えてしまうと完全に停止。しかしこんなところでいつまでもハマッてしているわけにいかない。シートの後端に座り後輪を路面に押し付けながら、両足で前にこぎます。シートの低いKLXだからできる技です・・・がオフ車でこんなことしてる人は居ませんでした。どうしたらよかったんでしょう(^^;

そんなこんなで4周・45分ほど走った後、YYさんに交代。セーブしながらとはいえ、意外と走れるモンでした。でも、やっぱりヘロヘロ。三半器官が軽くドランク状態に。順位の事はまったく気にしていません、のりまつ。

YYさんはサクサクスイスイ、労力を使わずスマートにスライドを駆使しながら走っています。さすが、歴戦の勇士です。
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古傷の膝の心配もあったとの事なので、もう1回ぐらい交代があるかと思いましたが、そのまま午前中のチェッカーフラッグをYYさんが受けました。


ランチターイム♪♪

昼食は、Tロさん夫妻手作りのモッツァレラチーズ入りのマッシュポテトとチキンの照り焼きを、その場でパンに挟んでいただくという贅沢メニュー。チーズの香りが良くなじみ旨ーい!向かい陣地にいたオフロードの哲人・Mズーさんの一味から肉の差し入れも!
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お湯とカップラーメン(小)だけでとんだわらしべ長者なランチとなりました。


さて午後の部は。

着順にスターティンググリッドが決まるのですが、わがチーム旭龍は・・・おお!4番グリッド?!ふーむ、気づかぬうちにこんなに順位を上げていたのか。これも練りに練った戦略のなせる業か。
と思ったら、単純に午前のチェッカー後の着順でした。おめでたいことです。YYさんはもちろん解ってましたけど、1人で浮かれちゃいました(///▽///)
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午後の部スタート!

午後の走行は、1回交代と決めました。で、YYさんがTロさんとバトる為に後半を希望。のりまつはまたもや先行する事になりました。今度は1時間、しっかり走ってみよう。
ペース配分に気をつけながら、今度はハイドレーションも積極的に使ってみる。
走り出してからしばらく経ち、比較的まっすぐな場所で、なんとか飲み口をくわえようと試みるも、ヘルメットのチンガードと顔の隙間が狭くてなかなか口元に吸い口を持って来れない!意外とでかいんですよね、吸い口。
しかし何とかくわえることが出来ましたが、今度は水が少ししか出てこない!どこかでねじれてるのかな・・・それが気になって走行に集中できず。その後も出たり出なかったりしながらも何とか水分は確保できたので、気を取り直して走行に集中します。口元の広く開いたシールドのないメットが必要かな・・・などと、また散財のフラグが立ったりして(^^;


路面の状況は刻々と変わるのがエンデューロ。ショートカットルートが出現していたり、ヌタ場が広がっていたり。サンドセクション周辺も、水の近くを通ることで走りやすくなる反面、ヌタヌタになってました。またサンドセクションの先に1箇所だけ、タイヤに彫られた中からヌタった土が顔を出し、午前中より走りにくくなった場所がありました。

この場所を警戒しながら走っていたのに、なんとその入り口で転倒。後続を止めちゃいました。・・・が、今はレース中。後続はいつまでも待っちゃいません。細い細い脇の隙間を抜けて、泥をこちらに飛ばしながらどんどん先に行きます。この屈辱・・・ハラサデオクベキカ・・・!!

と思ったら、その先の急登の上で止まっている2stが、必死にキックしているのを発見。・・・もちろん、待ちません!脇の、細ーい隙間から、スパッと抜いてやりました。
「絶頂すら覚える」
まではいきませんが、楽しいかも♪

やる気ないの?!

体力セーブの為に心がけたコト。
・できるだけギャップが少ないルートを取る
・どうしても跳んじゃう所ではゆっくり行く
・追い越しは無理せず、余裕のある時に
・後に付かれても完全に無視してマイペース

・・・なんか交通標語みたいになってきましたが、まあ、心がけってだけの話で走っちまえばそんなモンは吹っ飛んじゃうんですけどね。テンションアゲ過ぎないようにだけは気をつけましたが。

ただ、そのせいか走りが地味(^^;やる気ない人みたい。

びわみかんさんがのりまつを取った動画を見せてくれました。なんか、やる気ナシ男な走り方。レースというか、ツーリング?いや草刈作業中って感じ。本人はセーブしながらも一生懸命走っているのですが。
コレを見た後YYさんの走りを見ると、スムーズでスマート。決してガツガツしている感じもしないのですが、快調なペースで切れ目なくスピーディ。こんな風に力を抜いてさくさく走れれば、疲れず速く走れるのでしょう。YYさんはかなりのキャリアを持っているので、その積み重ねのもたらした財産、ということでしょうね。

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上のYYさんの走りに比べて地味~

Tロさんなんかこう!
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カッコいい!!

とりあえず走り切った!

そんなこんなでどうにか1時間と10分ぐらいを走りきり、YYさんと交代。この時点でもう、やりきった感でいっぱい!
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汚すぎておもしろいので顔出ししちゃう。

悪いことに交代スペースの目の前に売店が!「ビールもあるよ」っていうので、びわみかんさんに立て替えてもらって、アサヒスーパードライをホコリで乾ききった体に注入!!
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旨すぎて卒倒するかと思いました。

俄然元気が出てきました。今ならKTMのEXCにも勝てる気がするぅ!!(ムリ)
注入してから、YYさんが膝ビッコ引いて帰ってきたらどうしよう・・・なんて頭をよぎりましたけど(^^;


そういえばTロさんとバトルするっていってたけど、どうしたかな。
気にしてみていると、ひときわ甲高い2stサウンドがチェックポイントに近づいてくる。Tロさん駆るMT50です。チェックを受け再スタート・・・あれ?エンスト。さすがビンテージ。キックするもなかなか掛からず、後続に抜かれていってしまいます。

その後続の中に・・・きた!ゼッケン24、旭龍を駆るYYさんが!そしてこのタイミングでTロさんのMTが息を吹き返した?!まるで待っていたかのよう、出来すぎたドラマですよコレは!
Tロさんがわずかに先を行き、YYさんがそれを追う展開に・・・手に汗握る展開、どちらが前を取るのか?!

どちらも歴戦の猛者、マシンの差でYYさんが遠からず前に出ることは想像に難くありません。
が、前に出たYYさん、やかましいMTの排気音を使ったTロさんの心理作戦に翻弄されたとか。剣を恃みに驀進する戦士が、老獪な魔法使いの間接攻撃魔法に悩まされるといった展開!さすが両者とも一廉の変態、簡単に勝負は付かなかったようです。


祭りの終わり

そんなデッドヒートも16:30のチェッカフラッグで終了、ノーサイド!2時間×2回、ホコリにまみれ共に駆けたライバル達が凱旋してくるのをハイタッチで迎えます。
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あの有名な孫悟空ドラえもんだって今は僕らの戦友さ!
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この後表彰式。
のりまつ、一杯呑ったで賞で1等賞!
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ウソです。

「チーム旭龍」はYYさんの活躍で総合で21位、クラスBでは14位/40台でした。そしてなんと、Tロさんのチームはホントのホントに1等賞(ビンテージクラス)。


総合21位。なかなか大したモンじゃないですか?!のりまつが抜かされYYさんが抜き返すようなレース展開でこの順位。のりまつのポテンシャルがアップすれば伸び代ありますよ、これは!

見覚えのあるアイツが・・・!

今回競ったマシンの中に、690エンデューロと思しき機体がありました。顔が違うのでピンと来ませんでしたが、そのほかは見慣れた機体。彼はAクラスで優勝していました・・・と言っても参加車が彼だけ。
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「あ、このKTMのポスター、見たことある!」そんな感じ。
総合順位こそ我々の一つ下でしたが、この走り!かっこよすぎる!!
彼は1人で4時間を完走しています。ストレートのほとんどない細かいS字が連続するようなセクションもあり、あそこを切れ角が少なくて重い690EDで走るのは、さぞかしキツかっただろうと思われますが、大した物です。あのコースをEDタイヤ履いた690EDで・・・ちょっと走ってみたい気がしました。

感想文

バイクでレース、初めての体験でした。普通にサーキット走ったりコース走ったりする時と大きく違うのは、やはり「競る」モノであること。軽自動車耐久の時もそうでしたが、普段では考えられないぐらい他車に接近して、サイド・バイ・サイドのデッドヒートを繰り広げてしまうんですね。争いが苦手なのりまつでさえ、競り始めれば熱くなります。こんなところがレースの楽しみなのかと感じました。そういえば、まだソロでレース走ったことないな・・・
で、エンデューロというものに対しては、予想通り面白かった!普段のツーリングではわざわざ行かないような難所も、踏み込むのを躊躇してしまうような場所も、レースなら流れで突っ込んでいってしまい、そしてなんとかクリアしてしまう。そして多くのマシンが周回を重ね、土を削ることよって易しくなるセクションや、逆に難しくなるセクションがあったりして、まさにコースが生きているような感じ。

レースはとても楽しかったけど・・・後始末が大変(^^;特にこの日はカラカラに乾いていて、ホコリがスゴイ!あそこに持ち込んだ物すべて隅々まで、ホコリをかぶっていないものはありませんでした。帰ってから、バラせる物はバラして洗濯できる物は洗濯、できないものは浴槽でジャブジャブホコリ落としに四苦八苦しました。ま、回数を重ねればそんなこといちいち気にしなくなるんでしょうけど。



次は9月!真・旭龍でモトクロスに出るよ!




追記!

TロさんとYYさんの動画も貼らせていただきます!やはり動画だと雰囲気が伝わりやすいですね!

Tロさん編集
youtu.be

YYさん編集
youtu.be